ベトナム国内の感染者、7日以上なし 一部地域で経済活動再開

22日開かれた新型コロナウイルス感染防止会議で、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は、外出禁止を一部緩和した。ベトナム国内で1週間以上、新たな感染者が確認されていない状況を受けたもので、一部地域での経済活動の再開に踏み切った。

報告によると、今月22日までの世界212カ国の感染者数は255万7000人で、死亡者者数は17万7641人だった。これに対して、ベトナムでは17日から22日まで、新たな感染者は出ていない。

国内の感染者をみると計268人で、死者をひとりも出していない。すでに回復した患者数は222人、全感染者の83%にのぼる。重症化していた3人の患者でも治療がうまくいき、回復しつつあるなど、新型コロナの流行は収束にむかっていると判断された。

268人目の感染者はハザン省ドンヴァン町で発生し、同省が患者と接触した可能性のある358人の検査が行われた。このうち、302人は陰性、残る人数が結果待ちとなっている。

今後、各地方当局などは、過去の感染状態を分析して科学者や医療関係者らと相談し、リスク別に各地域を分類して、管理していく。

具体的にみると、過去14日間に新たな感染者があった「高リスクグループ」のハノイでは、従来どおりの感染の調査や管理をしっかり維持する。リスクが中程度とされたグループは、ホーチミン市、バクニン省、ハザン省などで、新しい感染者が過去15日以内に出ていない地域。「低リスクグループ」は、新しい感染者が28日以上出ていない、59の市や省が対象となる。

政府は23日午前零時から、低リスクおよびリスクが中程度の地域で、外出禁止令を緩和したが、ハノイ市だけは、日常生活に必要がない商品やサービスの店以外は、まだ営業が認められていない。その他の地域では、「新型コロナウイルスの流行防止策を十分実施すること」を条件に、店舗や企業などの営業が再開された。

特に、国境付近や工業団地、大都市内部や周辺地域などは、自由な労働者が多いため、しっかりした防止対策で管理を継続することを求めた。

さらに、インフルエンザの症状のある患者や日雇い労働者や、宿泊施設などで集団生活を送る労働者、貧しい人々の場合は、新型コロナウイルスの感染テストを迅速に実施して、流行の根絶を目指すとした。