ベトナム・ドンの対ドル相場、長期的な下落傾向に=中銀は急落回避か-フィッチ予想

 英格付け大手の調査部門フィッチ・ソリューションズはこのほど、ベトナム・ドンの対ドル相場の今後の見通しを公表した。それによると、新型コロナウイルス感染拡大による景気鈍化などでドン安傾向が続く一方、ベトナム国家銀行(中央銀行)が急激なドン安回避を図るとみて、2020年の平均相場は1ドル=2万3475ドン、21年は2万3650ドンと長期的な下落を予想している。ハノイ・タイムズ紙(電子版)が報じた。

 フィッチによると、20年のドンの対ドル相場は年初から1.2%下落し、平均では1ドル=2万3309ドン。また新型コロナ感染拡大を受け、20年の外国直接投資は前年比大幅に減少し、ドンを支える資金は減るとみられる。
 フィッチは、国内総生産(GDP)における輸出依存度の高いベトナムはドン安の恩恵を得るとみる。ただベトナムは20年1月時点で米財務省の「為替操作国」の監視リストに掲載されており、ドン安が進みすぎると米国から制裁関税を課されるリスクも依然残っている。このため中銀は、2月時点で800億ドルと十分な外貨準備高を背景に、ドン安のペースを穏やかなものに抑えると予想している。
 一方フィッチは、豚肉など食品価格の上昇を背景にベトナムのインフレが増進するとみている。平均インフレ率は20年に3.8%、21年は4.2%と推計。高インフレ率はベトナムの輸出入の重しとなり、ドン安傾向が長期的に続くとしている。(時事)