植物検疫の実施権限委嘱を日本に依頼 ライチ輸出開始に向け

ベトナム農業農村発展省はこのほど、今年度開始される予定の生ライチの日本への輸出を実現するために、傘下の植物防疫局がライチの植物検疫を日本の機関に代わって実施できるよう、権限の委嘱を日本側に依頼した。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のため、日本の農林水産省が専門家をベトナムに派遣できない状況となっているため。ホアン・チュン植物防疫局長は、ベトナム側への検疫委託の条件として、「日本側の信頼を得るためにも、オンラインやビデオ映像などで、検疫業務の様子を日本側に伝える」と説明した。

チュン局長は、ライチが栽培の産地や梱包施設などを明確にし、生産地から消費地までの流通経路をたどるトレーサビリティを実現するためのコード設定などが完了したほか、日本の要求する技術水準での消毒処理実施など、「日本向けのライチ輸出のための技術的な課題は克服できている」とアピール。また、現時点でもっとも重要視しているのが、害虫などの防止策だと話した。

日本への生のライチの輸出は昨年12月に決定。今年の収穫期から輸入が開始される計画だったが、新型コロナウイルスの世界的まん延によって、事業が停滞している。日本の農林水産省と相談した結果、できるだけスケジュール通りに輸出を実現するためには、検疫業務をベトナムに委託してもらうことが近道だと判断した。日本の農林水産省には依頼書を提出したほか、ベトナム工商省や在日本ベトナム大使宛の要望書を送ったという。