ベトナム統計総局は、第1四半期の新企業設立数が前年同期より13.2%減少し、3万7600件にとどまったと発表した。総合登録資本は445兆2000億ドン(191億ドル)で、前年同期比18%減だった。新型コロナウイルスの感染が影響したとみられる。

新規設立企業の平均登録資本は、1社あたり118億ドン(50万6400ドル)で、前年同期とくらべると5.5%少なかった。既存企業の1~4月の追加投資680兆9000億ドンも合わせると、資金投入は計1100兆ドンだったが、前年同期比率では20.4%のダウンとなった。また、新規設立企業の雇用者数は、前年同期と比べ30%減と大きく落ち込み、31万5700人にとどまった。

部門別にみると、前年同期と比べて増加したのは、527社(前年同期比40.5%増)が設立された電気・ガス・水道のエネルギー関連分野だけだった。

卸売り、小売り、自動車修理の分野の新規設立企業は、1万2717社(同11%減少)。建設業は5011社(同13%減)、製造加工業は4820社(同12.1%減)となった。

これまで事業を呈していた企業が第1四半期に営業を再開させた事例は1万7800社(同2.1%増)あった。一方で、新型コロナウイルスの感染まん延に伴う外出禁止などの影響もあり、1~4月に企業活動を一時的に停止した企業は、2万2700社にのぼった。経営破綻手続きを完了させ事実上倒産した企業は5100社だった。このうち4600社は、登録資本総額が100億ドン以下の中小企業だった。

4月1カ月間でみると、新規企業設立は7885社で、登録資本総額は94兆ドン。前年同期比では企業数で36%減、金額ベースで29%減だった。

停止していた事業を再開した企業は、4月1カ月で3810社みられ、前月比で11.3%増えたことは明るいきざしとなった。統計総局では、新型コロナウイルスの感染が収束し、経済活動が再開されつつあるなかで、「企業がコロナ後の本格的な営業再開や事業展開の本格化を準備していることを示唆している」と前向きな材料ととらえた。