分野別基準策定でFDI積極誘致を=会議で識者らが訴え

 ベトナムで1日に開かれた外国直接投資(FDI)誘致の促進策を討議する会議で、煩雑な行政手続きの簡素化だけでなく、分野ごとの明確な誘致基準を策定した上で、投資家に積極的にアプローチする姿勢が重要などとする意見が示された。ハノイ・タイムズ紙(電子版)が報じた。

 会議で中央経済管理研究所(CIEM)のグエン・アイン・ズオン・マクロ経済政策部長は、優先分野へのFDI誘致を一層効率的に進めるため、分野ごとの一連の個別基準を公布するべきだと主張。また、「制度的枠組みやデジタル・インフラ、生産性の貧弱さは、新型コロナウイルス感染流行後のベトナムの発展にとって、3大阻害要因だ」と強調し、制度改革の必要性などを改めて訴えた。
 エコノミストでCIEMの副所長を務めたボー・チ・タイン氏は、米中貿易摩擦を引き合いに、コロナ禍により経済問題がさらに政治化していると指摘。外国投資家がバリューチェーンの脱中国を図ろうとしている中で、ベトナムは柔軟かつ迅速に行動し、新たな投資資金の波をつかみ取ることが必要だと訴えた。その上で、投資家が来るのを待つのではなく、潜在投資家に積極的に働きかけ、障害を取り除くなどして投資誘致を図るべきだとした。
 また、ベトナム商工会議所(VCCI)のダウ・アイン・トゥアン法務部長は、コロナ感染の制御にとりあえず成功したことで、ベトナムの事業環境が安定し政府機能が効率的であることが示されたと指摘。欧州連合・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の発効も控え、ベトナムは東南アジア地域の他諸国に比べ投資誘致で優位に立っているとの認識を示した。
 計画投資省傘下の外国投資庁によると、5月のFDI執行額は推計15億5000万ドルで、月間では2月以来最も多くなり、コロナ感染流行がとりあえず収束したとして、外国投資家が事業の進捗(しんちょく)を加速したことが示された。ただ、1~5月のFDI執行額は67億ドルと、前年同期比8.2%の減少だった。(時事)