新型コロナ、企業にM&A迫る=中核事業への集中で資産売却も

 【ハノイ時事】新型コロナウイルスによる影響が続く中、ベトナムでは財務基盤が十分でない企業などがM&A(合併・買収)の模索を強いられている。ベトナム・ニュース紙(電子版)が10日報じた。

 ◇さまざまな業種で統合の動き
 宝飾品大手DOJIグループはダイヤモンド・ワールドの買収手続きを完了。ダイヤモンド・ワールドの100を超える店舗と約1000人の社員を引き継いだ。不動産のトゥドク住宅開発も、保有するトゥドク農業卸売市場の株式49%を移転する取引が完了したと発表した。同社の経営陣は中核事業の不動産開発に注力するため、株式を売却したと説明した。
 チュオンアン植物油は親会社キドグループとの経営統合を模索。FLCファロスは、FLCマイニング投資・資産管理と合併した。インターネット通販大手のティキとセンドーは合併の可能性が取りざたされている。
 ◇低価格でも売却探る
 ベトナム商工会議所(VCCI)のブー・ティエン・ロック会頭は、米中貿易摩擦と新型コロナ流行が生産網のシフトや世界的な投資の流れに大きな影響を与えたと指摘する。「厳しい局面を乗り越えられなかったり、事業を継続できなかったりするベトナム企業は多い。こうした企業は低い価格でも事業売却の道を探る」と予想した。「M&Aへの流入資金は大きくなる可能性がある。大きな波となるものの、取引額の規模は期待ほど大きくないかもしれない」とも述べた。
 ASL法律事務所のファム・ズイ・クオン弁護士は「資金力が十分でないが、早期に事業を好転させる必要がある国内の企業は、プロジェクトなどを買ってくれる提携先を探すだろう」と見込む。新型コロナがM&Aのトレンドを加速させる新たな要因になると分析した。
 ベトナム外資系企業協会(VAFIE)のグエン・マイ会長は「M&Aが新たな開発のトレンドになっている」と指摘。「好ましくない資金が流入したり、基幹産業が買収されたりするリスクを回避する厳格な管理の仕組みが不可欠だ」と訴えている。