銀行、海外勢と提携で自己資本増強=EVFTAに期待

 国有銀行を中心にベトナムの銀行が自己資本比率の低さに頭を痛めているが、今後海外投資家企業との資本提携が相次ぎ、比率上昇につながる可能性がある。ベトナム・インベストメント・レビュー紙(電子版)が伝えた。

 現在、ベトナムの銀行への外国投資家出資比率は30%が上限となっている。政府は国有銀行に対し、配当を現金ではなく株式で支払うほか、配当せずに利益を資本増強に向けることを認め、自己資本増を図っている。しかし、英格付け大手フィッチ・レーティングスは、融資への引当金計上を続ければ、自己資本が「バーゼルII」基準額を最大25億ドル下回る銀行も出てくるとして、注意を喚起している。
 国有銀のうちベトナム農業地方開発銀行(アグリバンク)の自己資本比率は、3月末時点で6.9%と基準最低比率の8%を下回った。グエン・ティ・フオン副頭取は、「政府全額出資銀行でありながら、アグリバンクはここ9年間も増資していない」と説明。20年には、当局から3兆5000億ドン(1億5220万ドル)の資本を確保する必要があると訴える。
 こうした中、海外金融機関の多くがベトナム銀行への出資に関心を強めている。特に、8月に発効が見込まれる欧州連合・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)により、欧州金融機関のベトナム参入が期待されている。ベトナム政府は今後5年間に欧州の金融機関に対し、国有大手4銀行を除くベトナムの銀行に、最大49%までの出資を認める方針だ。専門家らはこうした恩恵を受けるとみられる銀行として、ベトナム技術商業銀行(テクコムバンク)、アジア商業銀行(ACB)、ベトナム国際銀行(VIB)、VP銀行などを挙げている。
 一方、ハノイ市共産党委員会のブオン・ディン・フエ書記は、20年以降は全額出資の外国銀行設立が認められなくなることから、企業の合併・買収(M&A)がベトナム金融市場への主な参入手段になると指摘。海外銀行が経営再建中のGP銀行、建設銀行、オーシャン銀行などと戦略提携し、再建を支援してくれるよう促している。(時事)