従業員レイオフせず、操業再開=将来の成長にらみ自動車大手

 新型コロナウイルス感染流行を受け多くの企業が従業員を一時帰休(レイオフ)させる中、外資系を中心とするベトナムの自動車大手は将来の市場拡大をにらみ、従業員を維持し操業を再開している。オンラインメディアのベトナムネットが伝えた。

 「ソーシャル・ディスタンシング」の確保、企業活動の自粛期間を経て、トヨタ自動車や米フォード・モーターのベトナム法人などは通常操業に復帰。この間、販売は低迷したが人員の削減はほぼみられなかった。トヨタでは3月の販売台数は約5140台と前年同月比44%の大幅減。4月も約2800台、33%減だった。しかし同社は、地元での長期的な雇用を維持するため生産、事業活動の維持に努めるとしている。
 フォードも販売は3月が約1350台、4月は約700台となり、合わせて68%のマイナスだった。しかし、同社経営陣はレイオフしないことを約束しており、ハイズオン工場で全ての従業員が職場復帰した。同社は今年初め、ハイズオン工場に8200万ドルを追加投資し、生産能力を年間1万4000台から4万台に引き上げる計画を発表したが、計画は今後も進める方針だという。
 また、ベトナムの大手チュオンハイ自動車も、チューライ経済区(クアンナム省)の工場に9000人の従業員全員が復帰したという。同社は自動車部門の従業員を維持するだけでなく、今後農林産物生産部門や、物流部門で従業員を増やす計画だとしている。
 自動車業界が従業員をレイオフしなかった背景としてアナリストは、業界がベトナム自動車市場の将来が明るいとみていることを挙げる。自動車保有率はまだ低いものの、経済発展や外国投資の流入による所得増加に期待している。また、ベトナムがコロナ感染を当面抑え込むことに成功し、短期間の自粛で通常操業に戻れたことも、レイオフを回避できた要因だとみられている。(時事)