小売り・流通業界、外資との競争激化を懸念=対欧FTAで

 8月1日に発効する予定のベトナムと欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)は、双方の企業と消費者に多くのチャンスをもたらす。ただ、ベトナムの小売り・流通事業者はこのFTAによって、国内での優位性を失い、EU企業とのより厳しい競争に直面するかもしれないと懸念している。サイゴン・タイムズ紙(電子版)が12日伝えた。

 商工省によると、2019年のベトナムのEU向け物品輸出は414億5000万ドル、輸入は149億ドルで、265億5000万ドルの貿易黒字だった。計画投資省は、対欧FTAがEUからの輸入を25年までに33.06%、30年までに36.7%、それぞれ増やすと見込む。
 現在、スーパーマーケットで売られる商品の6割超は依然、ベトナムで生産された産品で占めている。ベトナムの小売市場では、サイゴンコープ、ビンコマースなどの国内勢と、ロッテグループ、ビッグC、サークルKといった海外勢の競争が激しくなる見通し。
 商工省は「対欧FTAで、EUなどからベトナムへの質の高い投資が増え、国内の小売業界では事業を再編したり、革新的なものに変えたりする取り組みが加速する」(国内市場局)と分析する。さらに、急速な事業環境の変化に対応できない国内の小売り事業者らは、生き残りが難しくなると予想した。
 中小規模の小売り・流通業者を中心とした国内の業界が直面する課題は、(1)競争の激化(2)開発途上のネット通販インフラ(3)経営管理(4)食品安全(5)衛生管理―など。EU企業と比べ競争力が低ければ、買収されたり、市場シェアを奪われたりすることになる。(ハノイ時事)