非接触型の決済利用が増加=利便、安全性に支持

 支払時の利便性や安全性が支持され、ベトナムでカードやスマートフォンなど非接触型の決済手段が人気を高めている。国営ベトナム通信(VNA)が伝えた。

 非接触型決済は、カードやスマホ、身に着ける(ウエアラブル)端末などを読み取り機にかざすだけで、機械に挿入したりせずとも支払いができる。従来の支払い手段に比べ、より迅速、安全、便利なことから人気が上昇。新型コロナウイルス感染流行が、非接触型の利用拡大につながっているともみられている。
 ベトナム国家銀行(中央銀行)によると、今年1~4月の国内銀行を通じた商取引は件数で前年同期比26.2%増、金額は15.7%増。一方、非接触型決済である携帯電話での支払い(モバイル決済)は件数で189%、金額でも166%の大幅増だった。
 非接触型の人気を背景に、ベトナム技術商業銀行(テクコムバンク)、ベトナム投資開発銀行(BIDV)、ベトナム外商銀行(ベトコムバンク)、キエンロン銀行、TP銀行は、従来のカードを非接触型の「スマート・カード」に切り替えた。
 TP銀行、ベトナム工商銀行(ヴィエティンバンク)、サイゴン商信商業銀行(サコムバンク)は、現金自動預入機(ATM)で「QRコード」での引き出しを認めている。また、輸出入銀行、ベトバンクでは、顧客はキャッシュカードやIDカード、パスポートがなくてもATMなどで指紋を照合すれば現金を引き出せる。
 銀行業界に詳しいグエン・チ・ヒエウ氏は非接触型決済技術について、カードの紛失や盗難、データ漏えいの危険が低減することで送金や現金引き出し、支払いをより容易にすると指摘。こうした技術を開発する「フィンテック」企業は、数年前は銀行の競争相手とみられていたが、今では共同で顧客の利便性向上に取り組んでいるとして、非接触型決済の利用拡大の背景を説明している。(時事)