銀行貸し出し、近く改善へ=今年の伸びは9~10%にとどまる―専門家ら

 【ハノイ時事】ベトナムの金融専門家らは、今年4~6月期の銀行貸し出しの伸びが3.5~4%となり、1~3月期の水準を大きく上回ると見込んでいる。22日付のベトナム・ニュース紙が報じたもので、4~6月期に状況は良くなってきており、企業や個人からの資金需要には改善の兆しが見られるという。

 1~3月期には、さまざまな業種が新型コロナウイルスの深刻な影響を被り、貸し出しの伸びは1月が0.1%、2月0.07%、3月が1.1%と低迷した。ベトナム国家銀行(SBV、中央銀行)は、多くの企業が1~3月期に既存の負債の返済を増やし、新規の借り入れを行わなかったと分析した。
 ハノイでは、金融機関の融資残高総額が5月時点で、推定2兆1630億ドン(約9400万ドル)となった。景気回復を目指したベトナム政府と中銀による多くの措置もあり、貸し出しの伸びは大きく改善すると見込まれている。
 ベトナム中銀は5月12日、50ベーシスポイントの利下げを実施。格付け会社の調査部門フィッチ・ソリューションズは、年末までにさらに50ベーシスポイントの追加利下げが行われると予想している。政府も最近、税金や土地賃料の支払期限の延長を認めた。こうした措置は、貸し出しの需要の拡大に寄与するとみられている。
ただ、専門家らは今年の貸し出しの伸びが9~10%程度にとどまり、中銀が目標とする11~14%を下回るとみている。一部の銀行は、各行の融資枠の上限に近づきつつあり、中銀に上限の引き上げを求めている状況だ。
 専門家らは、銀行の融資枠が拡大されなければ、企業が問題に直面すると警鐘を鳴らす。新型コロナで輸出は打撃を受けたものの、国内での投資・生産に対するニーズは引き続き高く、資金需要も依然強いという。