デジタル化で一大変革を ベトナム電力公社が推進

電力最大手のベトナム電力公社(EVN)は、デジタル技術の活用によって、サービスやビジネス、組織や業務プロセスを根底から変革させる「デジタルトランスフォーメーション」に本格的に乗り出している。このほど開かれた情報通信省の会合において、ズオン・クアン・タン会長は、「政府の国家デジタルトランスフォーメーション計画に注目しながら、あらゆる企業活動において、ITの導入を進めているところだ」と語った。

同社が目標として設定しているのは、すべての地域におけるコーポレートガバナンスや商取引、カスタマーサービスにおいて、第四次産業革命と呼ばれる技術革新の核をなすIoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、 AI(人工知能)、 ブロックチェーン、クラウドを導入し、生産性向上とビジネス活動の改善を進めることだ。


EVNでは、顧客対応から発電所の管理まで、幅広くIT技術の導入が進められている

すでに一定の成果は上がっている。管理運営面において、「企業資源計画」(EPR)を整備し、すべての社員と従業員が人事管理システムを通じて、電子ファイルシステムを使用、電子署名文書や問題を処理している。

また、発電所においても、新規の水力発電所では、設備の通常の状態や、修理やメンテナンス時の状態を、また火力発電所では振動や温度、圧力を監視するのに、IT技術を使用している。

これまでのところ、変電所の80%以上がコンピューター制御となっている。変電所は、地理情報システムを用いたソフトによって、迅速かつ効率的な運用をサポートするようコンピューター管理されている。また、顧客対応のため、EVNでは顧客ケアセンターも完成。デジタルプラットホームを通じて、利便性を高める豊富な情報を提供している。

EVNのデジタルトランスフォーメーションについて、グエン・マン・フン情報通信相は「大規模なインフラと、多くのデータソースを有するEVNは金融的潜在力においても強力な企業だ。デジタルトランスフォーメーションの成功は、他の企業や産業分野にも拡散するだろう」と話している。