新型コロナウイルスの感染拡大でビジネスに様々な支障が生じる中、オンライン取引が急速に普及し、従来の商談を代替できる取引手法として評価を受け始めている。

中国・浙江省は人口5700万人を超える巨大市場を持つ、ベトナムの重要な貿易パートナーだ。同省は、受注に応じて輸出品を製造するOEM企業が集積することで知られる。コロナ禍で世界経済が落ち込む中、同省商務庁は今年3月初め、ベトナムの大手展示会運営会社のVinexadに対し、浙江省とベトナムの企業を対象にしたオンラインによる貿易商談会の開催を提案してきた。

Vinexadのプロジェクト責任者であるグエン・ホン・ニュン氏によると、3月は、アパレル業界をはじめ、原材料が不足している多くの製造業にとっては正念場だったという。浙江省側から約100社のサプライヤーリストが届くと、Vinexadは商談会の招待状を国内企業に送付。第1回オンライン貿易商談会は4日間行われ、約60社のベトナム企業と浙江省の省都・杭州などのサプライヤー100社が参加した。

このオンライン商談会は、両マーケットの貿易の活性化を促した。取引の効率化を図るため、Vinexadは同省商務庁と連携し、研究開発体制や大規模市場への輸出経験などについて、厳しい要件を満たした信頼できるメーカーを選定した。また、取引の効率化と信頼性を高めるために、同時通訳やミーティングの機会も準備した。

オンライン商談会の開催にあたっては、様々な課題もあった。最初の問題は、B2Bで会議を行うためのアプリの使い方を企業に教えること。さらに、もう1つの課題は浙江省側の生産規模にあり、ニュン氏は「浙江省のメーカーは通常、大口注文しか受けないためにこうした問題が発生したが、今回の場合は、彼らはベトナム側の参加者のニーズに合わせて対応していた」と説明した。

Vinexadは、展示会や見本市に多地点・多距離の貿易モデルを先駆的に導入しており、Vinexadの商談会に参加した大部分の人は、テクノロジープラットフォームを介した取引を評価している。

ある企業関係者によると、アリババやメイド・イン・チャイナ、グローバルソース、アマゾンといった電子商取引プラットフォームを活用した取引では、売り手と買い手が必然的に見つけられるメリットがある。一方で、コロナ禍の今、選ばれた企業が集まるオンライン商談取引も急速に普及しており、こうした手法は、国内外の海外企業と国内企業との間で、柔軟な商取引を可能にしている。