「今後10年間の持続可能な開発-課題をチャンスに」をテーマにした、ベトナム・コーポレート・サステナビリティフォーラム2020が12月10日、ハノイで開催された。ベトナム商工会議所(VCCI)とベトナム持続可能な開発のための経済人会議(VBCSD)の共催。

写真㊤=フォーラムで講演するブー・ドゥック・ダム副首相

フォーラムに出席したブー・ドゥック・ダム副首相は、「今後10年間で、ベトナムは、国連のSDGsの目標のうち、残り2つの達成に向けてさらに努力を続けていく。ベトナムは現在、193の国連加盟国のうち88位に位置している」と述べた。一方で、「国内70万社のうち、VBCSDに加盟する企業は多くない。コーポレート・サステナビリティ指標を実践するために登録している企業はほとんどない」とも指摘。持続可能な開発の価値を広げるためのアクションを促した。

持続可能な開発と競争力向上に関する国家会議のコンサルティンググループメンバーである、エコノミストのグエン・ディン・クン氏は、「持続可能なビジネス社会をつくるには、政治システム全体の関与が必要であり、バリューチェーンをリードする大企業が先駆者になるべきだ」と語った。

また、VCCIのヴー・ティエン・ロック会頭は、「次の10年に向けて、ベトナムは3つの戦略的ブレイクスルーに焦点を当てるべきだ」と提案し、「それらは、社会主義的な市場経済メカニズムの質を継続的に向上させること、人材、科学技術、イノベーションをさらに発展させること、現代的で同時性のある社会経済インフラを完成させることの3つだ」と述べた。

企業側からはハイネケン・ベトナムが、そのベストプラクティスとして「RESOLVEモデル(再生、共有、最適化、循環、バーチャル化、交換)」を紹介。このモデルは、CO2排出削減や水資源の保護、あらゆる資源の活用といった、持続可能な環境価値を生み出す総合的なアプローチを用いた「循環型経済の枠組み」である。同社のホリー・ボストック氏は、「当社は、2025年までに廃棄物ゼロを達成し、再生可能エネルギーを100%使用するという野心的な目標を掲げている」と述べた。

また、フォーラムでは、ダム副首相からVCCIとVBCSDの常任委員会の代表者に、首相顕彰が贈られた。