2020年のGDP成長率2.91%、直近10年で最低もプラス成長維持

ベトナムの2020年のGDP成長率は、前年比で2.91%だった。成長率としては過去10年間で最低だったが、新型コロナウイルスの影響を受けながらも世界的に高い成長を遂げている。

ベトナム統計総局のグエン・ティ・フオン局長は、「ベトナムの成長率が世界最高水準にあるのは、政府の決意とともに、感染防止と経済回復といった2つの課題を効果的に克服した国民や企業の努力のたまものである」と分析した。

内訳では、農林水産分野が2.68%、工業・建設分野は3.98%、サービス分野は2.34%それぞれ成長した。そのうち、製造・加工分野は5.82%、発電・配電分野は3.92%伸びた。GDP構成比率は、農林水産分野が13.5%、工業・建設分野が53%、サービス分野は33.5%だった。

ベトナムは昨年、新型コロナの影響がありながらも、貿易総額は推計5,439億ドル(約56兆円)に達し、前年より5.1%増加した。そのうち輸出額は2,815億ドル(約29兆円)、輸入額は2,624億ドル(約27兆円)で、それぞれ前年比で6.5%、3.6%増えた。その結果、ベトナムの貿易黒字は推計191億ドル(約2兆円)に達し、2016年以来の高水準となった。

労働生産性は、1人当たり1億1790万ドン(約5081ドル、約52万円)と推計され、前年より290ドル(約3万円)アップ。また、公共事業への支出について、国庫からの投資割合は2011年以降で最も高かった。

ベトナムは、経済開放度を高めているため、今後困難や課題に直面する可能性がある。統計総局は、国は企業の貿易・生産活動における課題の克服、景気回復の促進、行政改革の強化、サプライチェーンの寸断を避けるために代替可能な供給元を探す企業への支援に注力すべきだとしている。