最大規模の全国経済統計調査、3月1日から実施 ベトナム統計総局

ベトナム統計総局は1日、今後の社会経済的発展戦略の基盤とするため、企業などの組織数や規模の統計資料を集め、その成長などを評価する全国経済統計調査の実施を始めた。5年ごとに行われる国勢調査のひとつで、ベトナム国内の経済統計としてはもっとも規模が大きく、詳細な内容となる。

調査は2段階に分けて、全国で実施される。第1段階は3月1日~5月30日までで、ベトナム企業の事業部門や生産部門▽ベトナム企業の管理部門、非事業部門や支店▽海外企業のベトナム国内の支店や駐在員事務所▽ベトナムでの活動を許可された各種協会や組織―などが対象となる。第2段階は、5月15日~7月30日にかけて、農林業と漁業分野の企業と個人事業主、宗教団体などから情報収集する。

企業などの生産や事業展開の規模、労働者数などの成長を評価することが最大のねらい。情報は今後、党や政府、各省庁や地方自治体などにフィードバックされ、社会経済の発展戦略を練る際に活用される。

今回は、回答時間の節約と新型コロナウイルスの感染対策を兼ねて、情報技術を活用。企業などの情報が外部に漏洩しない対策を施したうえで、すべての調査がウェブ上のプラットフォームで完結するようにした。企業や団体は、今回の調査用の専用サイト(http:// thongkedoanhnghiep.gso.gov.vn)で、直接質問に答える。個人事業主や宗教団体などは、調査員が専用の電子機器を持参し、コンピューターを活用したインタビュー形式で情報を収集する。

何らかの不可抗力によってコンピューターでの回答が行えない場合や、オンラインでの情報入力ができない場合は、調査員が訪問して紙の回答用紙に記入させ、物理的な署名やデジタル署名の送信などで確認をとるという。

もっとも最近の調査は2017年のものとなる。この中では、行政団体や企業以外の団体数の増加は緩慢だったのに比べ、経済分野、特に企業においては数や規模、雇用人数などが著しく増えて、成長の度合いが大きかったことが分かっている。

昨年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大があり、ベトナムの社会経済的発展にとっても大きな障害となっただけでなく、企業や個人事業の経営の健全度にも大きく影響することとなった。このため、2021年の経済統計調査は、国の包括的な経済状況やさまざまな経済組織や地方、地域の実情、そして今後の発展の見通しなどを明らかにするためにも、特に重要な情報収集となる。

集められた情報は政府や各省庁と地方支部、自治体などが、2021~2025年にかけての政策策定で、判断材料として活用する。同時にこのデータは、ベトナム統計当局が計算する国内総生産(GDP)など、さまざまな統計指標の基礎となる。

調査の暫定結果は今年12月に発表。翌年1月には詳細な内容が公開される予定だ。