停滞する国家的経済プロジェクト、改善を要請 フック首相 国家資本管理委員会などに

グエン・スアン・フック首相は、ハノイで開かれた常任閣僚会議で、国営企業などが展開する経済部門の国家プロジェクトのうち、停滞が見られ、投資効果が薄いと判断される事例の改善に乗り出した。これらの事業には国が資金を投入していることから、損失を最小限に抑えるため、国家資産の管理にあたる「企業における国家資本管理委員会」に対し、迅速な改善を求めた。

会議の報告では、対象となっていた産業や貿易などの経済プロジェクトのうち、3件は安定した運状況だったため、精査リストから外された。一方で、複数のプロジェクトが、「実施に至ったが暗礁に乗り上げた」または「損失が生じている」などと判断された。目標がまだ達成されていないだけのものから、実施そのものが中断されてしまったという厳しい事例まであったという。

このうち5件のプロジェクトでは、さまざまな交渉が難航していると報告された。商工省の説明によれば、設計と調達、工事の一括請負契約が不十分で、これらのプロジェクトから国家の投資資金を撤退させるだけの法的根拠がないということだった。

ベトナム製紙総公社の子会社で、クアンビン省に国営プロジェクトとして開設されたものの、負債が膨らんでいるフォンナム・パルプ工場について、フック首相は、解決を急ぐよう指示した。ベトナム化学総公社(ビナケム)の3案件を含む、残りのプロジェクトについても、計画を完遂させるよう要請した。

フック首相はこれらのプロジェクトについて、関連する省庁や部局、また「企業における国家資本管理委員会」に対して、より詳細な改善策の提案を行うよう求めた。通称「スーパー委員会」として知られる同委員会は、ペトロベトナム(PVN)やベトナム石炭鉱産グループ(ビナコミン)など、大手国営企業19社に投資された国家資金の管理を行うために設立された。

また、該当する企業や企業グループに対しても、投入した国家資本の損失を最小限に抑えられるよう、プロジェクトの方向転換を図り、再構築するよう求めた。同時に、「それらの転換が、労働者の権利を守り、国家の安全や防衛の維持、環境保護や社会の安定などを確保するものでなければならない」とした。

さらに、課題解決の見込みがないプロジェクトに関しては、施設などの売却や計画そのものの中止が必要で、「最悪の場合は、企業破綻もやむを得ない」とした。その際には、国家資産を取り戻すための法律にしたがったかたちでの企業整理が必要だと強調し、国家資本管理委員会に対して新たに、損害を回復させる可能性や短時間での問題解決の見込みがないプロジェクトをリスト化するよう要請した。