レ・ミン・カイ副首相はこのほど、ベトナムの物価管理に関して、各省庁や地方自治体、関連当局に、市場の価格変動を注視し、物価の安定と経済成長の促進に向けてさまざまな対応策を実施するよう要請した。カイ副首相は、市場の価格変動を慎重に見極めたうえで、物価の管理などを「慎重かつ柔軟に」行うよう求めた。

◇省庁間で緊密な連携を
カイ副首相は、各省庁や地方自治体、関連当局などが緊密に連携し、政府や首相、価格管理に関する国家運営委員会などが発出した政令を、真摯に遵守する必要があると指摘。物価の特別検査を強化して市場での価格変動を監視し、当局が市場原理とマクロ経済管理に従って価格を適正化するための迅速なアドバイスを提供していくとした。

さらに、価格管理において障壁となる点や重複個所などがないか、各省庁で法的文書を見直すよう促した。省や市などの自治体には、生活必需品を中心とした身近な商品やサービスの価格が跳ね上がることがないよう、市場や消費者の動向監視を強化する。

その一環として、市場の需給バランスと価格の分析や予測方法を改善する必要があると指摘。省庁などが、月ごと、四半期ごと、さらには年単位で価格管理シナリオや適切な計画を策定し、価格管理に関する国家運営委員会に報告することとした。

カイ副首相は、これらの財政政策と物価管理は、能動的に、柔軟性をもって、しかし慎重な姿勢を忘れずに実施していくべきだと主張。インフレを抑制し、マクロ経済を安定させ、経済の成長をさらに加速さえるためのさまざまな経済施策などと調和を保っていく考えを示した。

これらの方針に基づいて、カイ副首相は、省庁ごとに次のような対応を求めた。

商工省 : 石油価格について、財務省と緊密に連携し、世界の価格動向をにらみつつ、柔軟な姿勢で価格管理するよう求めた。電力に関しては、支出と予想される投資や諸経費を慎重に評価したうえで、今年の電力料金プランを策定する必要があると指摘。中国産製品の供給減が影響し、国内で価格が高騰する鉄鋼については、需給バランスを確保するために、ベトナム国内の鉄鋼の増産を命じた。

農業農村開発省 : 商工省と連携し、市場の動向を細かく観察、豚肉などの需給の変化を注視するよう求めた。特に豚コレラについては、昨年のような流行の再燃を防ぎ、大規模な感染を抑え込むなど、家畜の感染症管理策の強化を指示した。

保健省 : 医療費の算定基盤となる、衣料サービスと技術基準の評価や分類作業を早期に実施し、完了させることを任務と課した。

建設省 : 鉄鋼を削減できる新たな建築技術に関する調査の実施が課せられたほか、各地域の自治体などと連携を密にし、不動産市場の監視を強化することが指示された。

教育訓練省 : 財務省と共同で、新設された教育計画に従って、教科書価格などを厳密に制御するよう指示した。