エジプトは、ベトナムのコンピューターや電子部品、繊維、糸、農林水産品の輸出先として可能性のある市場であり、アフリカ進出の突破口にもなる国として期待を集めている。

◇潜在力のある市場
商工省によると、エジプトはベトナムにとって最も重要な貿易相手国の1つであり、北アフリカにおいて成長が期待される市場である。

写真㊤=エジプトはベトナムの輸出先として有望な市場だ

ベトナム税関総局のデータによれば、2021年上半期、ベトナムの対エジプト輸出額は2億3870万ドル(約263億円)で、前年同期に比べて11.4%アップした。ベトナムにとってエジプトは、南アフリカに次いでアフリカで2番目の貿易相手国である。

2020年の二国間貿易額は、前年比4.8%増の5億1500万ドル(約568億円)に達した。エジプトの経済は、新型コロナウイルスによる深刻な影響を受け、消費者の購買力は下がり、対外貿易額も減少している。ベトナムからの水産品輸出は24.7%減、青果物は42%減、携帯電話・部品は18.5%減少した。

一方で、ベトナムからの輸出では、カシューナッツが49%と急増したほか、コショウは16.5%増、コーヒーは14%増、機械・設備は約20%増加するなど、目覚ましい成果も挙げている。

◇貿易促進へ
8月18日にオンライン形式で開催されたベトナム・エジプト貿易工業協力小委員会の第2回会合では、ベトナムのカオ・クオック・フン商工副大臣とエジプト側代表のイブラヒム・エル・セギニー氏が共同議長を務め、ベトナム商工省とエジプト貿易産業省の担当者が、パンデミック下における二国間貿易の促進について協議した。


2020年の二国間貿易額は、前年比4.8%増の5億1500万ドルに達した

両国は、2018年4月の初会合以来の協力関係を振り返り、二国間経済関係に影響を与える地域的・世界的な状況を議論。貿易面での課題に対処するため、いくつかの具体的な措置について合意に達した。

さらに、両国は、市場需要や輸出入管理規則、検疫、品質管理について情報を共有する仕組みを構築することで合意。二国間並びに国際的な公約に沿って、特に農林水産品におけるさらなる協力強化に期待を込めた。また、二国間の投資家と企業をつなげるオンライン貿易と投資促進活動を実施するとともに、セミナーや人材育成を通して物流分野の協力も行う。

そのほか、貿易投資協力におけるそれぞれの工業発展政策や優遇策を共有し、電力、アパレル、化学、自動車、建設資材、通信、養殖、水産加工分野における提携の可能性を探った。

第2回会合で、フン商工副大臣は、ドラゴンフルーツやライチ、ショウガ、ウコンといった新しいベトナムの農産品に対しエジプトの市場を開放することや、ベトナムの輸出業者が現地の市場ニーズに応えるために、有利な条件が整備されることを期待した。