グエン・チー・ズン計画投資大臣、外国投資の明るい見通し語る

新型コロナウイルスの感染拡大の重大な影響にもかかわらず、ベトナムの昨年の外国直接投資(FDI)は前年度の約9.2%増と満足のいく結果となった。グエン・チー・ズン計画投資大臣がこのほど、今年の方向性についてンタビューに応じ、今年のFDI誘致について明るい見通しを示した。

-新型コロナ第4波が昨年、ベトナム経済に与えた影響は小さくなかったが、FDIの好調な誘致は明るい兆しを見せた。これについて詳しく教えてください。

グエンチーズンFDIは急速に拡大し、ベトナム経済にとって重要な要因となりつつある。今では、ベトナムの経済成長や国家の予算収入、輸出額などに大きく寄与しているのに加え、雇用を創出し、ベトナム人労働者の収入を引き上げている。

2021年のベトナムでは新型コロナをめぐる状況が複雑化し、特に4月末以降の感染第4波では、ベトナムの製造業の中心地が軒並み影響を受け、全国規模での社会的隔離規制の適用が必要なまでになり、生産、貿易、原材料の供給網など、すべてが寸断された。新型コロナはまた、海外の投資家たちがベトナムを訪れ、投資先を開拓するチャンスを奪ったほか、ベトナムに既存のFDIプロジェクトの進捗や運営にも影響を及ぼした。

これらの困難にもかかわらず、ベトナムの昨年1年間のFDIは総額約311億5000万ドルとなり、前年比9.2%の成長を見せた。これは、新規事業立ち上げに加え、既存のプロジェクトへの追加投資、ベトナム企業の株購入などが含まれる。特に顕著に増えたのが、既存プロジェクトへの追加投資で、前年比40.5%増だった。FDI企業による輸出入は急増を見せたが、これらのことはいずれも、ベトナムの投資環境に対する外国の投資家らの厚い信頼を反映したものだ。

-満足のいくFDI誘致ができた背景には、どのような要因があるとお考えですか?

第一には、企業に寄り添い、困難を共有してその解決に真摯に取り組んだベトナム政府、特にファム・ミン・チン首相の努力に依るところが大きい。政府は共産党のアドバイザーとして活動し、国会に対しては、企業が生産と貿易を維持し、同時にコロナの感染拡大を防ぐさまざまな政策公布を要請した。

政府は、土地の賃貸料の免除や減免、企業支援、特定の産業の協同組合や家内制手工業などの小規模ビジネス、労働者と雇用者の両方に対する支援、電気使用量の引き下げを含めたさまざまな優遇措置を含め、法令や決議をいくつも発令した。

国内外の企業や民間団体なども含めて、ビジネスの難しさ軽減に大いに役立ったとして、これらの政策を称え支持した。私は、FDIの誘致は今後も、良い成果をもたらし続けるだろうと強く信じている。

-2022年にベトナムに投入されるFDIをどのように予測されていますか。また、質の高いプロジェクトを誘致するために、どのような施策を考えておられますか。

新型コロナは世界中の社会、経済、生活のすべての側面に悪影響を及ぼしたにもかかわらず、ベトナムは2021年、主要なFDIプロジェクトを集めることができた。これは、ベトナムのビジネス環境を外国人投資家らが信頼してくれたことと、ベトナム政府のビジネス支援政策の利点を反映していると考える。

最近のある調査によると、ヨーロッパの企業の約67%が「ベトナムでのビジネスの見通しについて楽観的だ」と答えている。また日本企業は、ベトナム経済が「近い将来回復する」と考えており、韓国の企業も新たな投資計画を立てている。米国企業の多くも、ベトナム政府の新型コロナ対策を賞賛し、国としてコロナ制御が近く実現すると信じているという。

質の高いプロジェクトの融資については、2030年までの外国投資協力の実効性を高めるための制度改善の方向性を定めた決議案50-NQ/TW号にもとづいて、ベトナム政府は今後も、投資管理と貿易促進活動の在り方を改善していく方針だ。同時に、外国投資に関する法律・政策を実施する際の地方自治体の責任を重視して、検査や監督の体制を強化している。今後、環境を汚染するプロジェクトや非効率的な企画などについては厳正に対処していく。