伸び悩む自動車部品の現地調達率、業界規模も小さく

自動車には約3万個の部品が用いられているが、ベトナムの組立工場では80%の部品を輸入に頼っており、残りの国産部品は扱いにくい単純装置が中心だ。

写真㊤=ベトナム国内の自動車関連産業は依然として弱い

◇8割は外資系
商工省によると、ベトナムには約300社の自動車関連企業があるが、そのうち8割は外資系企業で、残りの2割は国内の一部の大企業と中小企業となっている。

タイでは、サプライヤーのうちレベル1に該当する企業は約700社、レベル2・3の企業は約1700社あるが、ベトナムではレベル1は100社未満、レベル2・3は150社に満たない。トヨタベトナム戦略計画部のグエン・チュン・ヒエウ氏によると、ベトナムの自動車産業の生産量や規模は、タイやインドネシアの3分の1から4分の1に過ぎない。「ベトナムにトヨタの部品サプライヤーは46社あるが、そのうち純粋なベトナム企業はたった6社。今後、さらに2社が加わる予定だが、世界標準に達するには何年もかかるだろう」とヒエウ氏は言う。

◇メーカーの協力
ベトナム企業は、所定の研修に合格し、最も基本的な認証を得るまでに3カ月かかる。このことについて、ベトナム裾野産業協会のチュオン・ティ・チー・ビン副会長は、「ベトナム企業は資本も生産量も小さく、国内の自動車産業は依然として規模が小さすぎる。この問題については、国の政策とともに、大手自動車会社からの解決策の提案も待たれる」と指摘する。

一方、ヒュンダイ・タインコン自動車のグエン・ミン・ソン社長は、国内の裾野産業企業が、世界中の部品供給会社と協力し、彼らを説得して共同投資や技術の購入を行い、製品の現地調達率を高めることを提唱する。こうした取り組みは、投資コストを最小限に抑えながら、ビジネス効率を向上させるのに重要だ。

さらに、ソン社長は、「企業は、親会社が求める共通の要求を満たすサプライヤーと協力することを望んでいる」と続けた。

トヨタベトナムのヒエウ氏は、「ベトナムが部品供給で主導権を握るには、サプライヤーの数を増やすとともに、研究、管理、環境性能を高めることが重要で、各種機関や業界、自動車メーカーの協力が不可欠だ。例えばトヨタは、サプライヤーを支援するチームを立ち上げた」と述べた。