米国投資家、ベトナムでの成長に期待感=渡航緩和措置など受け

米国の投資家は、最近のビジネス渡航の緩和やベトナム経済の好調な見通しを受けて、ベトナムでの新しい成長に期待を込めている。

◇有利な条件整う
米国投資家による多くの大規模な投資案件は、ベトナムの発展に大きく貢献し、ベトナムのグローバルサプライチェーンへの参加をより深いものにしている。米国は現在、ベトナムに投資する138の国・地域のうち11位に位置し、1134件、97億2000万ドル(約1兆1160億円)相当のプロジェクトが実施されている。

写真㊤=外国人投資家を呼び戻すために、ベトナムはパンデミックの予防・管理措置を緩和した

2021年の両国間の貿易額は約1000億ドル(約11兆4800億円)で、米国はベトナム最大の輸出市場である。パンデミックにおいても、安定したベトナム経済は米国投資家から評価を受けている。

在ベトナム米国商工会議所(AmCham)のメアリー・タルノウカ事務局長は、「AmChamベトナムのメンバーは、貿易と生産活動を回復しつつあり、ベトナム市場に楽観的な見通しを示している。彼らはベトナムでの投資拡大を計画、検討している」と述べ、「ワクチン接種率が高いためにパンデミックの予防・管理措置を緩和され、その結果、外国人投資家に有利な条件が整った」と強調した。

また、AmChamハノイのアダム・シトコフ事務局長は、「この厳しい状況下でも、ベトナムの米国企業は社会のニーズに応える努力を行い、社員や地域社会、ベトナムの新型コロナ対応と経済回復を支援している。米国の投資家は、ベトナム経済の変革と成長に大きく貢献してきた」と述べた。


ベトナムのワクチン接種率は高い水準に達した

◇さらなる緩和を
昨年はどの業界にとっても厳しい一年であり、企業はオペレーションやサプライチェーン、移動の面で課題に直面した。パンデミックによるベトナムへの経済的影響は深刻で、外国人投資家全般、特に米国投資家に長期間にわたって影響を与えるとされる。

しかしながら、政府は今年、GDP成長目標を6~6.5%に設定し、世界銀行もベトナムのGDPは5.5%に回復すると予測した。

米国の投資家は、国境を越えた渡航を促進するベトナム政府の決定を評価するとともに、外国人とベトナム人の海外旅行(インバウンド・アウトバウンド)に対する負担を軽減する追加措置を求めた。安全は最重要課題だが、米国投資家は、専門家や投資家、技術支援チームが事業を継続し、投資拡大や新規投資を容易にするために、より予測可能で合理的な手続きを望んでいる。

米国企業は、ベトナム企業とともに、デジタルトランスフォーメーションやスタートアップを促進することに注目している。また、両国政府が、二国間貿易協定の締結に向けた取り組みを始めることも期待されている。協定の締結は、民間セクターの強化と持続可能な社会経済発展に向けて、投資や貿易フローの改善、持続可能なサプライチェーンの構築、ビジネス環境の改善に寄与するとされる。

両国の企業は、このニューノーマルにおいて互いのマーケットを学び、協力の機会を共有しながら、経済活動を回復させる必要がある。