スタートアップへの投資活況 年内には20億ドル達成へ

ベトナムのスタートアップ企業へのベンチャーキャピタル(VC)の投資が活況を示している。人気を集めるのは 電子決済や電子商取引、オンラインゲーム関連の企業。海外からの投資も増えている。計画投資省傘下の ベトナム・ナショナル・イノベーションセンターによると、投資額は年内に20億㌦(約2660億円)に達すると見込まれる。

同センターがまとめたベトナム・イノベーション・アンド・テクノロジー投資レポートによると、国内スタートアップ企業に対するVCの投資額は14億㌦(約1860億)。東南アジアでは、シンガポールとインドネシアに次いで3位だった。同センターによると現在、200以上のVCがベトナムのスタートアップに投資しており、約5分の1が国内のVCだ。

アジアのITスタートアップに投資するVC、ジェネシア・ベンチャーズ・ベトナムの投資スペシャリスト、ホアン・チ・キム・ズン氏は、「大手のVCは、スタートアップとの接触を増やすことに注力している」と話す。また、国内VC、アセンド・ベトナム・ベンチャーズのゼネラル・パートナー、ビン・チャン氏は 、このほど開かれたウェビナー「ベトナム市場参入:チャンスと戦略」において「アジアでは健康や教育、ショッピングなどに積極的に支出する中間所得層が増加している。ベトナムはその先駆け的存在だ。中間所得層のニーズに応えようと、新たなオンラインサービスがどんどん生まれている」とスタートアップ市場活況の背景を説明する。

専門家は、スタートアップ市場の魅力は、政府の支援や制度いかんで決まると指摘している。ベトナムでは現在、スタートアップに対して税金面などの優遇措置をもうけている。