「Embrace(受け入れる)‐Engage(取り組む)‐Enable(実現可能にする)」をテーマにしたAPECビジネス諮問委員会(ABAC)の第3回会議がこのほど、ハロン市で開かれた。ABACをベトナムで開催したことは、パンデミックの予防と制御、経済回復と持続可能な成長という目標を推進し、安全で魅力的な投資先であるとアピールすることで、ABACやAPECにおけるベトナムの地位を高める機会となった。

写真㊤=APEC市場への輸出は、ベトナムの水産物輸出拡大の原動力となった

APECは1989年に設立された地域経済フォーラム。APECの21の加盟国は、バランスがとれた、包括的で、持続可能で、革新的かつ安全な成長を進め、地域の経済統合を加速させることで、人々にさらなる繁栄をもたらすことを目指している。この地域には約29億人(地球の全人口の38%)が住み、世界のGDPの約62%、世界の貿易の半分を占めている。

ベトナム商工会議所(VCCI)会頭で、ABACベトナムのファム・タン・コン氏は、「ABACは2022年に4回の会議を実施する。第1回は2月15日から18日にシンガポールで、第2回は4月25日から28日にバンクーバーで、第3回の7月は中国で開催予定だったがベトナムで、第4回は11月13日から16日にタイで開催される」と述べ、「現在、ABAC議長国であるタイは、コロナ後の加盟国による直接交渉を促そうと、対面会議での実施を提唱している。だが、中国がゼロコロナ政策で海外からの訪問者をまだ受け入れていないため、タイはベトナムに会議の開催を要請した」と経緯を説明した。


ベトナムの投資環境は改善されつつある

この会議には、APECの21の加盟国から約130人のビジネスリーダーが出席し、地域と世界経済の回復と成長を目指して、地域のビジネスコミュニティにとって関心の高いテーマを議論した。特に、APECとABACの首脳が参加する11月のタイでの会議を踏まえ、APEC閣僚らへの提言を策定した。

ABACベトナムは、投資家や大企業のリーダーに安全で魅力的な投資先であることを知ってもらうために、中国に代わって第3回会議を開催することを決めた。