ベトナム産ワタリガニ、米、中と日本が市場を競う

ベトナム産のカニ(ワタリガニ)とカニ製品は、国内の顧客だけでなく、海外の顧客からも注目を集めている。昨年同期と比べて輸出金額は41%増加。中でも中国市場は76%増えている。

8月16日、ベトナム水産輸出加工協会(VASEP)が明らかにした。7月15日までのカニの輸出額は1億1100万ドルで、昨年同期と調べて41%増加した。

最も成長した市場は中国で76%増加した。ベトナムからの輸出額は3700万ドルだった。ベトナムからの輸出額トップは米国で、輸出額は3800万ドルを超えた、昨年同期と比較して27%の増加だった。

市場として第3位は日本で、輸出額は2400万ドル、昨年同期に比べて51%増えた。日本を含む11カ国が加盟する「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定」(CPTPP、通称TPP11)に加盟する国では日本への輸出額が最も多く、市場規模も今後、さらなる成長が期待されている。

「ベトナム産の美味しいカニ」
ヨーロッパ諸国も、ベトナム産のカニを輸入している。特にフランス、ベルギー、オランダは市場の成長がより顕著になって来た。

しかし、VASEPは、世界規模のインフレの影響で、現在、ベトナム産のカニを輸入している国々の中でも今後、輸入量が減少する国が出ることも予想している、という。

国内では、ホーチミン市でカニの価格が年初からの数カ月間、連続して上昇。4月30日~5月1日の連休後、価格は大きく値上がりした。特にワタリガニは、ホーチミン市で1㌔=100万ドンを超えた時もあった。供給量が需要に追い付かない状況も発生している。原因は、天然物のワタリガニだけでは需要を満たすことが出来ず、養殖(ワタリカニ)量が少ない点が指摘されている。