EU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)は、ベトナムのEU加盟国への輸出を促進させるだけでなく、物流サービスの需要増にも寄与している。

写真㊤=EVFTAはベトナムの物流企業に多くの機会を提供している

◇海外のパートナー
商工省外国貿易庁のチャン・タイン・ハイ副長官は、「EVFTAが2020年8月1日に発効して以来、二国間貿易は大幅に増加し、物流企業、とりわけ繊維・衣料品、皮革・靴製品、水産品といった主要輸出品の輸送を担う企業に大きなチャンスがめぐってきている」と語る。

そして、「EUの物流企業は、規模が大きく実績も豊富だ。DHLグループ、キューネ・アンド・ナーゲル、ドイツのDBシェンカー、デンマークのマースクグループといった多くのEU物流企業が、ベトナムで事業を展開している。ベトナムの物流企業は、主に発送や輸出手続きを行っているが、現在、欧州の多国籍企業や大規模な船会社と協力して、その実績から学び、資本を獲得する機会を得ている」と続けた。

ビー・ロジスティックグループ、サプライチェーンソリューション担当ディレクターのマイ・チャン・トゥアット氏は、「EVFTAはベトナムの物流企業に多くの機会を提供している。最近、中国からサプライチェーンをシフトした一部の外資系企業は、ベトナムに投資している。ベトナムの物流企業の存在感を高めるために、当社のような企業は大企業と協力して、その下請けとして事業を展開している」と述べた。

◇求められるソリューション
EVFTAの下でベトナムの物流企業は、チャンスやポテンシャルとともに、多くの新しい課題にも直面している。ハイ副長官は、「ほとんどの国内企業は中小規模であり、専門的な経験に乏しく、設備も不十分なため、結果として物流コストが高くなる」と指摘する。


EVFTAの下でベトナムの物流企業は、チャンスやポテンシャルだけでなく、多くの新しい課題にも直面している

また、物流・輸送システムは、EUの厳格な基準・規制を満たす必要がある。ベトナムからの輸出品、とりわけ、温度変化や環境の影響を受けやすい農産品、竹・籐製品、木製家具には、保存や輸送において確実な品質保証が求められる。

ダナンゴムのレ・ホアン・カイン・ニュット社長によると、製品コストに占める輸送コストの割合は大きく、2021年のような困難な時期でさえ、輸送コストは何十倍にも膨れ上がったという。ニュット社長は「私たちは海運会社を持たないため、海外の海運会社を頼るほかない。ベトナムは主要港に輸送拠点を整備して、船の出入りを可能にし、この課題を解決しなければならない。そうしなければ、より厳しい競争にさらされることになる」と現実を語った。

商工省多国間貿易政策局のゴー・チュン・カイン副局長は、「ベトナムの物流業界が、課題を克服して、EVFTAの機会を生かすためには、企業と国で一貫したソリューションが必要だ。企業は、物流市場を開放する意味をより理解し、新たな競争の脅威を認識し、物流産業に対する考え方を少し変えて、事業を最適化しなければならない」と語った。