ベトナム国立社会経済情報センター(NCIF)のレポートによると、ベトナムは2022年、消費支出が回復し、輸出も力強く成長した。

2022年第3四半期のベトナムの国内総生産(GDP)成長率は、予測を上回り、前年比で推定13.67%増加した。インフレ率は設定された目標(年間4%)を下回っている。しかし、経済における世界的な成長の鈍化と金融リスクの高まりは、2023、2024年のベトナムの経済成長に影響を与える可能性がある。

写真㊤=ベトナムの企業は輸出注文の減少を経験し始めている

ベトナムには明るい経済見通しがあるが「リスクは増大している」との指摘もある。国内では、変化する不動産市場の状況が、銀行業界と債券市場にとってリスクになる。気候変動が農業生産に悪影響を及ぼすことも予想される。

NCIFの産業・企業経済予測部門の責任者は、インフレについて触れ「現在は大きな問題ではないが(インフレ)圧力は高まっている」と述べた。


米ドルとベトナムドンの為替レート上昇などによる、輸入インフレのリスクも指摘されている

ベトナムのエコノミストは、外部要因がベトナム経済に強く影響すると話す。世界経済は来年、わずかな不況に陥る可能性が高い、と予測し、ベトナム経済が困難に直面する可能性もある、とした。2023年にGDP成長目標=6.5%を達成するために、ベトナムはより大きな努力をする必要がある、と述べた。

国連開発計画(UNDP)の上級国際エコノミストは、輸出の伸びは依然として長期的にベトナムの経済成長に影響を与える最も重要な要因であると述べている。