FTA ベトナムとラテンアメリカの貿易を促進

ベトナムとラテンアメリカ(中南米)諸国との貿易は、自由貿易協定(FTA)の効率的な実施に伴って目覚しい成長を遂げている。

2022年初からの10カ月間に、ベトナムとラテンアメリカ諸国の貿易額は約188億米ドル(2021年同期比10.5%増)で、2021年の同期に比べて10.5%増加した。ベトナムからの輸出額は102億米ドル(同期比5.3%増)、ベトナムへの輸入額は86億米ドル(同期比17.3%増)だった。ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、チリなどの主要な貿易相手国に加えて、パナマ、コロンビア、ペルーといった新たな市場は、ベトナムの対中南米貿易にとって明るい話題になっている。

ベトナムと中南米の企業は協力の機会を探っている
ベトナムの貿易交流において、中南米は常に最も大きな成長を遂げている市場の一つになっている。衣料品や繊維製品、履物、農業・水産物などベトナムの主要な製品の輸出市場であり、ベトナムの加工産業にとって、重要な原材料の供給源でもある。

ベトナムと中南米諸国は、経済、貿易、投資での関係をさらに発展させようとCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的協定、いわゆるTPP11)やベトナム-チリ間、ベトナム-キューバ間の貿易協定などを実施している。

貿易発展への余地
コロンビア、チリ、ペルー、メキシコに商品を販売し、これらの国から多くの商品を輸入するなど、ラテンアメリカへの輸出に成功しているPhuc SinhグループのPhan Minh Thong会長は中南米市場への輸送コストが高額である▽輸入業者がしばしば支払いを延期する▽市場では英語よりもスペイン語が普及しており「言語の壁」も課題、と述べた。また、ラテンアメリカへの輸出者が効率的な貿易を実現するためには、各国の規制や貿易での障壁、顧客や規範などの研究が重要だ、と話した。

Amerasian Shipping Logistics Corp (ASL)の会長兼ゼネラルディレクターのVo Thi Phuong Lan氏は、メキシコやキューバ、アルゼンチンなど中南米の港への直通ルートを持つ船舶会社や、時間やコストの削減を図るため、一括したソリューションを提供できる運送会社を選ぶこと、を勧めている。

産業貿易省は、2030年までのラテンアメリカ市場との貿易・産業協力の持続的発展に向けたのプロジェクトを構築している。