ニントァン省ブランドのブドウ、拡大のきざし

ベトナム・ニントァン省にとって近年、重要な農業生産物になりつつあるのがブドウだ。同省の農業生産の18~19%を占めるまでに成長している。このほどニントァン省と科学技術省が開催した「葡萄&国際ワイン祭―ニントァン2014」というイベントで、その重要性が発信された。

高い経済効率

ニントァン省の農業・農業発展局によると、ブドウの生産面積はニントァン省がベトナム国内で最も広く、727ヘクタールにも及ぶ。生産量は年間約16965トンだ。そのうち、約10000トンはベトナム各地に流通されている。

同省では、ブドウの加工品生産も盛んで、干しブドウ、ブドウジャム、ワイン、ブドウ糖など多様に作られている。

農業局のロン副局長によると、同省のブドウは経済効率がよく、年間で1ヘクタールあたり20~30トンも生産されるという。これは、インドやオランダに並ぶ数字だ。そのため、今後十分な投資がなされれば、国内の需要をまかなうだけではなく、国際需要にも応じられると期待される。

ブランド力で市場拡大へ

これらをふまえて、同省は2020年までの長期のブドウ生産計画を策定した。計画では、2015年までにブドウ生産面積を2200ヘクタールで40000トンの生産に、さらに2020年までには同2500ヘクタールで64000トンに、それぞれ増やすことを目指すとしている。

また、科学技術省の指導により、ブドウ加工品も原材料生産地や品質などを示すマークをつくり、製品に表示していく予定だ。「ニントァン産ブドウ」のブランドを確立し、高めていくための戦略だ。

今後は、世界各国からのブドウ輸入を減らして、ベトナム国内のブドウの生産量と質を高めるというのが、科学技術省とニントァン省のビジョンになっている。