メコンデルタ三省、観光分野の発展で連携

メコンデルタのキエンザン省、アンザン省、カントー市(中央政府直轄市)の三省で先月、観光分野の発展を話し合う会議が行われ、三省が連携を強化することで合意した。

観光の発展を効率化
この「環境と社会に責任を持つ観光の発展会議」は、ベトナム観光総局が主催。欧州連合(EU)の援助で実現したプロジェクトであることから、通称「EU案件」と呼ばれている。

会議にはグエン・コック・フン観光総局副局長、キェンザン省人民委員会のダン・トェット・エム副主席、アンザン省人民委員会のホー・ビェット・ヒエップ副主席、カントー省人民委員会のレ・バン・タム副主席らが出席した。

フン副局長は会議で、「メコンデルタでは観光分野が連携するいちおうの仕組みができあがった。EU案件の専門家のすすめる三省の観光業発展などのため連携をさらに具体化していくことで、複数の省にまたがる観光マネジメントのモデルになり、観光発展を効率化できる」と語った。

報告によると、2009年から今までこの三省は、観光関連の情報交換、旅行賞品の企画、観光PR、投資など、多くの面で協力を強めてきた。各地方間の旅行会社の協力も始まってはいるが、これまでの連携効果は薄いという。

そこで、各省の人民委員会と文化・スポーツ・観光省は、観光総局とEU案件に、人材教育、ホームステイのモデルづくりや、PR、広報などの援助などを依頼した。

これに対して、EU案件アドバイザーチームのリーダーのメアリー・マッケオン氏は、「地方観光の指導にあたっては、、民間旅行会社も参加して、官民の情報交流をしてほしい」と会議で提案し、各地方の観光協会がコンサルタントチームを作るよう要請した。また、観光局のグエン・アィン・トァン副局長は、観光への投資を促し、インターネット上での情報発信などを説いた。

さらに、三省それぞれの活動を紹介後、EU案件のブ・コック・チ案件長が、「2014年末までに、観光関連の講義や教育コース、サービスの品質管理などを確立するほか、各地にEU案件の援助活動で協力してほしい」と呼びかけた。

目指すは“三省をめぐる旅”の実現
会議では、三省の指導者は、観光協力の覚書に押印した。
具体的には、今後、地域政策の仕組み、地域観光と旅行商品の発展、観光PR、人材育成の分野で協力する。また、各地方ごとの観光発展協力・今後観光地になる可能性を秘めた場所の発掘、地域観光成長促進などにも力を入れる。

特に、旅行商品の開発については、三省をめぐる旅行行程を立てるなど、三省を一つの旅行先とみなして連携するプランを旅行客らに提案していく。これまでにも、アンザン省での精神的な癒しを体験と、キエンザン省の海辺でのエコツーリズム、カントー市で田園を楽しむ旅を組み合わせた旅行商品などが提案されたが、実現されてこなかったという。

覚書にもとづいて、今後、三省は観光発展連携協力のための指導委員会を立ち上げ、指導委員会のサポートチームも作る。同時に、三省の文化・スポーツ・観光局も旅先の管理委員会の組織規制・活動内容を後押しする考えだ。