ベトナム中部高原のダクラク省バンメトート(Buôn Ma Thuột)で産出される名産「バンメトートコーヒー」。その輸出価値とブランド力を高めるため、産地が欧州連合(EU )で産地ブランドの保護をねらいとした「地理的表示」の登録を急いでいる。

バンメトート産のコーヒーは、すでにスペイン、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、ドイツ、タイの6カ国で個別に地理的表示が公認されている。このほど、欧州全域での産地の知名度アップとブランドの確立のため、バンメトートコーヒー協会がEUでの地理的表示の保護登録申請の準備を始めた。

同協会のチン・ドゥック・ミン副主席は「まず、協会は欧州で登録申請を書く必要がある。コンサルティングに関しては、ベトナム知的財産所有局など2団体が担当するが、まずは各専門家が欧州側の要求を把握するために、現地の体制を勉強する必要がある」と話す。欧州での申請は、2015年中の完了を目指す。

地理的表示(Geographical  Indication)とは?
品質や社会的な評判などから、特定の産地と結びつけられる特産品(農林水産物)の名称を、知的財産として保護する制度。世界100カ国以上が採用しており、日本でも今年6月に地理的表示法が成立した。EUでは特別なマークをつけて産地ブランドを保護しており、認定例に「パルマ・ハム」(イタリア・パルマ地方の生ハム)や「シャンパン」(フランス・シャンパーニュ地方産の発泡ぶどう酒)などがある。