バクダン橋建設を起工 ハロン湾への移動短縮へ

東北部クアンニン省とハイフォン市の間を流れるバクダン川に架かる「バクダン橋」の建設が1月末、着工した。完成すればハノイ-ハロン湾の移動時間が大幅に短縮されることから、観光面での期待が高まっている。

クアンニン省、ハイフォン市と交通・運輸省が展開したこのプロジェクトは、公共の施設やインフラ建設を請け負った投資企業が、政府などに代わって建設後の一定期間、操業も請け負う「BOT(建設・運営・譲渡)方式」を採用した。全長5.41キロメートルの橋の建設に加え、ハロン市とバクダン橋につながる接続点や、ハノイ-ハイフォン高速道路との接続点の建設を含む。

完成すれば、クアンニン省-ハノイの距離は180キロから130キロに、移動の所要時間も3.5時間から1.5時間に大幅に短縮される。また、クアンニン-ハイフォン港の間も、現状の75キロから25キロに短縮される。カットビー空港とラックフェン港、ディンブーなど省内の主要な場所の移動も便利になり、ハロン湾の世界遺跡ツアーもさらに発展することが期待される。

橋の建設は、2014年9月にグエン・タン・ズン首相によって発令された。クアンニン省の総投資資金は6兆4000億ドン、全体での投資資金は7兆6000億ドンとなる。

プロジェクトは、ベトナム第1交通施設建設会社(CIENCO 1)やPhuc Loc社、Cuong Thinh Thi社、Cai Mep社、Phuong Thanh社、Trung Namグループと、建築やコンサルティング業務などを展開する日本のエスイーグループとの合弁会社が請け負う。2016年末に完成の予定。

着工式典に出席したホァン・チュン・ハイ副首相は、「地域の大切な案件であると同時に、クアンニン省だけではなく、北部・北部海岸・紅河デルタ全域の経済・社会の発展に貢献することになる」と評価した。


【BOT(建設・運営・譲渡)方式】 Build Operate Transferの略。投下資本を早期回収できるため、発展途上国は借り入れを増やさずに大型案件の実施に踏み切ることができる。また先進国企業による運営を通じた技術移転面の利点もある。