フーコック島 経済特区に 観光中心に経済発展に期待

メコンデルタ沖に位置するキエンザン省のフーコック島が経済特区に指定され、2016~2020年にかけての一帯の経済発展の原動力として期待されている。レジャーやエンターテインメントなど観光サービスの集積とともに、海運業など様々な分野での発展にも期待が高まっている。

フーコック人民委員会のファン・ブー・ホン委員長によると、フーコックでは空港や港湾、道路など大型のインフラ整備と並行して、観光やサービス分野でもさまざまな誘致施策を実施。また、航空網の整備と国際路線も充実させており、観光客や海外投資を誘致につながっているという。

2015年のフーコックの経済成長率は32.36%で、1人あたりの域内総生産(GDP)は2010年の約3倍となる5469ドルに達した。昨年1年間で87万3600人がフーコックを訪れ、このうち約15万1700人が外国人観光客だった。観光収入は3兆ドンを越えて2010年の約6.8倍に拡大し、これに伴って住民世帯の貧困率も1.2%まで低下している。

投資も活発化しており、今年1月半ばまでで登録されたプロジェクトは、すでに230件にのぼる。このうち164件が認可され、総投資額は183兆ドン超。主なものにフーコック国際空港やアン・トイ国際港などの整備、110キロボルト級のハーティエン・フーコック海底ケーブルシステム、ビンパール・フーコック・リゾートの建設などがあり、すでに一部が完成し、利用が始まっている。

ホン議長は、短期的には観光産業が先陣を切ってフーコックや一帯の経済をけん引するとの見通しを示しており、省として歴史的・文化的な遺産の保存、自然環境や景観、島の特殊な生態系などを組み合わせて観光商品を多様化させていく考え。同時に、長期的な経済発展を視野に入れ、インフラ整備や投資を後押ししながら、地方自治行政を強化し、フーコック経済区管理委員会の管理能力向上を目指す。

ホン委員長は、「今後も大規模投資を呼び込める魅力ある政策を提案していきたい」と話している。