日本輸出向けにミントを試験栽培 JICAとビントゥアン省

独立行政法人国際協力機構(JICA)の在ベトナム事務所は、10月からベトナム南東部ビントゥアン省で、試験的に日本輸出向けのミント栽培を始めたと発表した。

JICAによると、ミントの栽培地には、ビントゥアン省バックビン郡アンビン村の「第2次ファンリー・ファンツェット農業開発プロジェクト」の実験農園が選ばれた。実験農園は広さ約32ヘクタール。プロジェクトは、ビントゥアン省の農業農村開発局(DARD)とJICAが技術協力して行う。

活動のねらいは、それぞれの土地に合った農作物を開拓し、その栽培を奨励していくことだ。灌漑や栽培方法などの農業知識の教育・普及のほか、多様な農作物栽培による農家の収入アップも目指す。

ミントは、オイルを採取するために栽培する。今回採用されたミントの品種は、多数くあるミントの中でも特に品質や香りが優れ、オイルの採取量が多いという。ミントオイルは、日本企業が精製し、香りや清涼感を生かしてメントール入りの化粧品や生活雑貨品などの原材料として使われる。

ビントゥアン省では、これまで農業がドラゴンフルーツやキャッサバ芋の栽培に偏っていた。そのため、DARDではミント栽培の普及活動を通じて、特定の農産物に依存するリスクを低減し、農民の利益増大につなげたいという。