ハイフォン市のカットバー島で電気バスを試験運行 北九州市が協力

ハイフォン沖にあるカットバー島(別名ダオゴック=宝石の島)で、島をめぐる無料の電気路線バスの試験運行が始まった。地元のゴック・フン貿易が運営し、省エネ技術などで協力する北九州市から技術支援を受ける。

プロジェクトは、ベトナムで初めて運行される電気エネルギーバスとなる。2017年の2月から2020年にかけて、ハイフォン市カットバー島で試験運行する。カットバー島は世界遺産に認定されたハロン湾に浮かぶ無数の島々のうち最大となる島で、観光スポットとして人気が高まっている。

バスはカットバー島の13号線と14号線の2本の道路で、全長24.5キロメートルの間を無料で運行する。これで、訪れた観光客らが訪れる公共交通手段がなかった観光地までも、バスで簡単に行けるようになる。

運行ルートは、カットバーの町の中心部から、国家公園やザ・ルアン地区、チャンチャウ地区、カイヴィエン地区、フーロン地区、スアンダム地区などをつなぐ。運行は午前6時半から午後6時半まで。

電気バスの運行プロジェクトは、排気がなく、太陽エネルギーを活用してカットバー島の環境が守れるとして採用された。電気バスの価格は80億ドンだった。島に備えられた太陽発電による充電設備で約2時間充電すれば、約200キロメートル走行でき、最大50人の乗客を乗せることができる。

カットバー島を含むハイフォン市は、温室効果ガスの低減などを目指す国の「グリーン成長戦略」で先駆者的な取り組みを行ってきた。2014年には同じく省エネに力を入れ、アジア各地へのグリーンエネルギーの導入支援を図る北九州市と姉妹都市提携を結び、同市の支援を受けてさまざまな省エネ施策を実施してきた。カットバー島でのバスは、クオックフン貿易社がグリーンエネルギーなどの導入を促進している日本の北九州市と協力して運行していくという。