ハノイの北に位置するバクザン省の特産品、ライチが飛躍的に競争力を増している。今年は収穫量こそ前年比30%減の10万㌧にとどまったものの、先進技術や国際的な衛生基準の導入による品質アップで、市場価格は2倍以上になっている。

同省商工局のチャン・クァン・タン局長によると、今年の地元産ライチの国内消費量は5万9000㌧で、うち2万800㌧が南部で消費された。

ライチのうち5万㌧はベトナム独自の農業生産工程管理(VietGAP)にもとづき、1600㌧が国際的な農業生産工程管理(GlobalGAP)にもとづいて生産された。厳しい品質基準をクリアすることで、大手スーパーマーケットのビッグCや、ハノイのコンビニエンスストアなどに流通したライチも100㌧に達した。こうした品質向上は、価格にも大きく反映されている。タン局長は「今年の1㌔当たりの価格は昨年の2倍近い7~8万ドン(340~380円)になっている」と話す。

国内市場だけでなく輸出向けにもライチの生産を続けてきた。今年は、中国に2万5900㌧、オーストラリアやオランダ、米国、ドバイ、タイなどの新たな市場に20㌧が輸出された。

地元では昨年から、ベトナム科学技術アカデミー傘下の地理学会と同省科学技術局の合同による研究が行われている。プロジェクトに出資する関係者は、「研究の効果的は上がっている」と話している。

同省では、引き続きベトナム科学技術アカデミーの専門家らに技術指導をしてもらうことで、ライチの生産性や品質が向上することを期待している。