世界遺産のチャンアンなどで知られるニンビン省には、年間を通して国内外から多くの観光客が訪れる。こうしたなか、環境破壊など新たな問題も浮かび上がり、持続可能な観光産業を目指す取り組みが始まっている。

豊かな自然と美しい景観に恵まれた同省には、1500の文化的、歴史的遺跡と工芸村(100年以上続くものも多い)、225余の伝統行事が残っている。中でも古都ホアルーやカルストの雄大な地形で知られる世界遺産、チャンアン景観関連遺産は有名だ。

しかし、同省観光局のブイ・チャン・ドン局長は、「観光地への環境負荷が高まっている」と指摘する。ドン局長は、7月に開催された観光地の環境保護に関する会議で、その原因として、都市化や人工増、観光インフラ整備を挙げた。とりわけ世界遺産に登録された2014年以来、チャンアンへの観光客の急増は深刻な問題だという。

同省では観光を重要な産業と位置づけており、持続可能な発展のためには、環境保護への対応が不可欠となっている。こうしたなか、ドン局長は、今後の課題として、環境保護基金の整備や継続的な視察の実施、文化財を傷つけたり、壊したりする者に対する罰金、罰則の強化などを挙げ、これらに向けた法的な枠組みの整備や、政策、計画づくりが必要だ、としている。