ベトナム南中部のクアンガイ省は20日、投資促進会議を開催し、投資総額9兆ドンに及ぶ14の投資案件に対して、投資を認可したと発表した。このうち5件は、海外直接投資(FDI)の案件だった。

ダナン市の南部に位置し、ズンクワット製油所を抱えるクアンガイ省だが、投資促進会議は新たな企業の誘致や社会整備を図るため、「投資と発展」をテーマに開催された。同省にはズンクワット経済区のほか、工業団地が4カ所、さまざまな産業が集積した産業クラスターや手工芸村が15カ所あり、高速道路などのインフラ整備によって、近年、急速に発展している。

同省はこれまでにも投資環境を大幅に改善し、進出企業にさまざまな優遇措置を設けてきた。例えば、ズンクアット経済区では一般的な企業支援政策のほかに、土地賃貸料の無償化、企業所得税の免除、輸入税の免税など、さまざまな優遇措置を受けることができる。さらに同省では、迅速なワンストップ対応で投資家をスムーズに支援できるよう、行政手続きの改善にも着手している。

クアンガイ省では、重工業や軽工業、裾野産業、物流や港湾事業などの広い分野で産業が発展。今後さらに、海事サービス、各工業団地のインフラ整備、都市サービスや観光の充実、ハイテク農業などを中心に、投資の幅を広げる方針だ。

同省のレ・ヴィエット・ツ書記は、「投資を呼びかけるだけではなく、適当な条件を設けて企業支援を展開し、投資家らと協力して課題を解決していく考えだ」などと話した。

会議に出席したチン・ディン・ズン副首相=写真㊤=は、同省に対して、制約を撤廃し、海洋経済、観光、主力工業の発展、交通インフラや都市インフラの整備、人材教育などを中心に発展を目指すよう求めた。

副首相はまた、「クアンガイ省には、ベトナム国内にある5カ所の沿岸工業団地のひとつであるズンクアット経済区がある。ベトナムの海洋経済を発展させる戦略として、潜在的な強みを開拓することを軸に、世界的な知名度を上げる必要がある」と強調。「クアンガイ省の漁業や観光は発展の可能性が十分にあるものの、これまで系統だって開発されてこなかった」と指摘し、約1万1000平方キロメートルに及ぶ漁業域と全長約130キロメートルの海岸線の有効活用を促した。