ハザン省、未開の観光地に商機を見出す

北部、中国との国境に位置するハザン省は、独自の自然・文化遺産を持ちながら、観光面では依然、多くの他の地域に立ち遅れている。

需要と供給のはざまで
2016年、ハザン省には85万3746人の観光客が訪れ、そのうち外国人観光客は17万6537人。観光収入は7950億ベトナムドンに上り、2015年より13%増加した。これらのデータから、ハザン省の観光産業は大きく進歩したようにみえるが、省にはまだ多くの潜在的な観光資源がある。例えば、青々とした山々、息をのむような絶景、眺めの良い谷など、その大部分は未開のままだ。

写真㊤=ハザン省は、北部山岳地域の中心的な観光拠点になることを目指している

最近開催されたハザン観光促進協議会では、多くの旅行会社の代表が、「ハザン省は、インフラが整備されていないのに、コメやソバの花の収穫期にツアーの誘致を強化しているため、需要と供給が釣り合わない事態を引き起こしている。省のホテル事情は、3つ星ホテルが1つ、2つ星が18、1つ星は42、そのほかゲストハウスやホームステイ施設が150以上あるという状況であり、旅行者の需要をほとんど満たしていない」と述べた。

The He Tre Travel Companyのチャン・テ・ズン副社長は、「ドンヴァン県のマーケットやStone Plateau、Ma Pi Leng peakは旅行者の人気を集めているが、現地の宿泊施設が不足しているため、通常、旅行者は、メオヴァック県などのほかの県へ移動しなくてはならない」と指摘した。

ハザン省人民委員会のグエン・バン・ソン委員長も、「ハザンを訪れる旅行者の数は、毎年平均で約3.25%増えているが、ハザンの観光にはいまだ限界があり、対応も不十分である。その解決の難しさは、省の社会経済状況を示す順位が低いことと関係している」と語った。

省が支援を約束
ハザン省は、2020年までに、観光客数を150万人に、観光収入を1.4兆ベトナムドンにまで引き上げることを目標としている。これらを達成するために、省と観光産業は、地域に根差した観光を発展させ、政策をさらに改善し、交通機関を整備し、Eマーケティングを充実させることで、魅力的なツアーを提供していかなければならない。

省は、企業に対して、ホテルや娯楽施設、文化村、洞窟といった、宿泊施設や観光地発展のための投資を推進している。ハザン省党委員会のチエウ・タイ・ヴィン書記は、投資者へ土地や現場整備、行政手続きに関して多大な援助を行うなど、投資家へのアプローチ手法を転換することを約束した。

文化・スポーツ・観光省のフイン・ヴィン・アイ副大臣は、「省としては関連機関に対し、ハザン省の伝統的な祭りを復活させるよう求めるほか、インフラ面での課題を解決するため、対応策を見つけて、提示していく」と述べた。