2011年から2015年にかけて、ベトナムの首都、ハノイ市の地域GDPは年平均7.57%の成長を遂げ、住民一人当たりの収入は4年前の1.7倍にあたる7940万ドンに達した。このほど行われた政治局と同市人民委員会などとの会合で、ハノイ市の発展の成果や課題などが報告された。

ハノイ市の年平均7.57%という成長率は、全国平均と比べて約2.56%も高かった。会合では、ハノイ市のゴー・チー・タイン・ハン共産党副委員長が、「投資環境が改善し、新しい農村開発計画が目覚ましく進展を見せたことから、首都ハノイでは、社会主義思想に基づいた市場経済が進歩し続けている」と報告した。今年の年末までには、首都郊外のすべての農村のうち、73.8%が、新規農村開発計画の目標を達成する見込みだ。

政治局のハノイ市の発展に関する政令(11-NQ/TW)の実施にともない、土地の管理と建設、都市計画、天然資源と環境保護などの項目においても改善が見られたという。人材育成の観点から見ると、ベトナム国内の63の省と直轄都市のなかで、ハノイは第1位の成果を上げており、ハン副委員長は「首都は、街の外観が美しくなっただけではなく、文化や保健衛生、教育や人材育成などの事業も拡大し、科学技術部門が大きく強化されている」と強調した。

一方で、ハノイは、一人当たりの住居面積など一部の項目では他地域に比べて評価が低いことなど、ハノイ市の欠点も指摘された。全国と比べると成長の伸びが大きかった地域GDPや成長率も、ハノイ市単体で設定された目標には達しておらず、「ハノイ市当局の実績を引き上げる努力や業務改善の余地がある」と指摘された。

そのために、首都の発展にブレーキをかけ、2012年に制定された「首都法」などの適切な施行を妨げるいくつかの政策や規制については、修正する必要性が指摘された。ハン副委員長は、ハノイがさまざまなインフラ建設や都市整備を要求されている点も強調し、「公共投資額は限定的となるので、これらの整備の実現には、民間を含め、さまざまな財源を確保する必要がある」とした。

会合には、共産党のグエン・フー・チョン書記長も出席。過去5年間のハノイ市の目覚ましい発展を称える一方で、各地方自治当局に対して、改革や国際統合、近代化と文化保全の両立などに焦点を当てて政策を実施に移すよう要請した。また、政治的安定と社会の秩序と安全、人口と土地の効率的な管理や開発計画、海外との関係の深化、党とハノイ市の政治体制の構築などの重要性も指摘した。