企業ニーズに応じた職業訓練のあり方とは=ホーチミン市でフォーラム

企業が求める職業教育に合わせて、どう教育の質を向上させるかに焦点を当てたフォーラムがこのほど、ホーチミン市で開かれた。

Vietnam Skills for Employment Project(VSEP)のディレクター、マイケル・エンブレム氏は、「毎年このフォーラムには、教育指導者や政策立案者が参加し、急速に変化する国内の労働市場の需要を満たすための、職業教育のあり方について議論している」と述べた。

写真㊤=学生向けのキャリアビジョン相談会

このプロジェクトの目的は、カナダのモデルに従ってベトナムの職業教育制度を改善し、教育訓練を受けた若者たちが、高収入の職業に就けるよう支援を行うことにある。

ホーチミン市に拠点を置くベトナム国家大学のフイン・タイン・ダット学長は、「社会の発展に合わせて制度を改善することは、教育分野にとっては大きなチャレンジ」と述べた上で、「大学や職業訓練施設は、新しい技術を習得したハイレベルな学生を訓練するために、企業との連携を進めている」と続けた。

労働・傷兵軍人・社会事業省傘下のNational Institute for Vocational Education and Trainingのディレクター、ヴー・スアン・フン氏は、国内には約2000の職業教育施設が存在すると報告。さらに、「一部の企業は、学生に雇用条件や技術情報、奨学金を提供するために学校と連携したり、職業経験として彼らを受け入れたりしている」と述べた。だが一方で、「こうした企業と職業訓練校の連携は依然として小規模であり、継続性は低い」とも付け加えた。

同省は、2020年までに、70のハイレベル校の整備を目指しており、このうち40校はASEANの先進国レベルにあるものとしている。こうした目標を達成するために、フン氏は「職業教育分野における法規制や政策を効率化するなど、国レベルの管理を改革していく必要がある」と指摘。さらに、職業訓練校における自治を促進し、訓練の質を確保するために国家基準を設けることを提案した。

また、同省傘下にある職業訓練総局のディレクター、グエン・ホン・ミン氏は、企業の従業員を対象にしたキャリアガイダンスや技能競技会の機会を増やしていくことを勧めた。