目にも鮮やか、古都フエの料理 「食のブランド」として確立へ

ベトナムの「食の都」とされる古都フエを省都とする北中部のトゥアティエン・フエ省は、地域独特の料理をブランドとして確立する活動のために、2020年までに約126憶ドンを投資すると決めた。伝統の王宮料理などフエ料理を伝承し、国内だけでなく世界に向けて発信していくという。

グエン王朝の都として栄えたフエは、見た目にも美しい王宮料理など食文化が発展し、伝統的な料理メニューが1000種類以上も受け継がれている。食材の飾り切りや芸術的な盛り付けなど、目でも楽しむことができるのが特徴だ。「ブン・ボー・フエ(フエ風牛肉汁ビーフン)」や「バイン・ナム(米粉とエビのバナナの葉包み蒸し)」など、今ではベトナム料理の象徴となっているフエ料理も多い。
ブランド化する「フエ料理」の対象となるのは、このような宮廷料理のほか、家庭の食卓に登場する郷土料理、ベジタリアン料理、屋台などで食べるストリートフードなど。さまざまな要素をもつフエの食文化を総合してブランドとして確立、管理していく。
今後、省では観光客に「フエ料理」として提供できる料理の基準を設けたり、条件を満たした飲食店やレストランなどの認定制度を導入したりするという。また、観光客誘致のため、さまざまな広報活動で多様なフエの食の魅力を紹介し、料理を楽しむグルメツアーや、観光客らが調理する体験型ツアーも展開していく。具体的には、旅行会社や各地の観光協会などと連携し、展示会などに出展することで広くフエの味覚を紹介する。