スピリチュアルな旅をPR 歴史遺産の宝庫、バクニン省

1500を超える歴史・文化遺産を有し、伝統工芸品の産地としても長い歴史のあるバクニン省が、仏教の精神や伝統音楽の心に触れるスピリチュアル・ツーリズムのPRに力を入れている。豊富な観光資源が、まだ十分に発揮されていないとして、インフラ整備や催事の充実など、さまざまな対策を打ち出している。

写真㊤=バクニン省の観光スポットとして人気の高いファティック・パゴダ

同省は、ベトナム最古の王と言われるキン・ズオン・ブォン王が君臨した都市として知られ、同国最古の塔とされるダウ・パゴダや巨大な仏像が鎮座するファティック・パゴダなど、多くの仏塔、寺院が残る。また、「愛のデュエット」と呼ばれ、ユネスコの無形文遺産にも登録されているチェン・ジュ地区の伝統音楽、クアン・ホイが披露されるリム・フェスティバルも有名だ。

同省の文化・スポーツ・観光局によると、同省には旧正月シーズンを中心に年間300万人の観光客が訪れる。そのほとんどが、寺院や伝統行事に足を運んでおり、歴史文化遺産が、地域の経済や観光産業の発展に大きく寄与している。

地元の人民委員会では、2020年までに観光収入を3.3兆ドン(約158億円)、同省のGDPの4%以上に引き上げあげることを目標にしており、紅河デルタの中心的観光地を目指している。

同省は10年以来、遺跡の復元や改修などに数十億ドンの資金を投資。ハノイの北東わずか40㌔というロケーションを生かし、遺跡へのアクセス道路や関連施設などのインフラ整備を進めてきた。こうした結果、観光客の利便性もアップし、さまざまなツアーガイドを利用したり、郷土色豊かなおみやげを購入したりできるようになった。今後も、遺跡周辺の整備を進めるとともに、地元で行われるイベントや寺院の催事の規模も拡大していく予定で、地域の歴史や伝統音楽を学び、楽しむ地域固有のスピリチュアル・ツーリズムを展開する予定だ。