甘くて、みずみずしいライチの実。ベトナム北部のハイズオン省はライチの名産地であり、同省商工局によると、今年の収穫が始まって以降、約9500トンのライチを海外へ輸出した。そのうち約9340トンは中国へ、120トンは韓国へ輸出され、残りの40トンはオーストラリアや英国、フランスに出荷した。収穫期は5月15日から6月末まで。

写真㊤=今年の収穫が始まってから、ハイズオン省では約9500トンのライチを輸出した(VNA)

また、国内市場では、大都市のハノイやホーチミン、ハイフォン、卸売市場、貿易センター、スーパーマーケットなどで、1万8500トンのライチを販売した。

同省農業・地方開発局によると、ハイズオン省の今年のライチの栽培面積は約1万500ヘクタール。大部分はタインハー郡とチリン町に集中し、これらの地域では約6万トンの収穫が見込まれている。全収穫量のうちのおよそ1000トンは、米国、オーストラリア、EUへの輸出基準に適合している。現在、131.68ヘクタールの農園で栽培されるライチが、これらの国々への輸出に適合している。また、適正農業規範であるVietGAP基準を満たす農園は、334ヘクタールあるという。

ハイズオン省のライチは2007年に、科学技術省傘下のベトナム国家知的所有権庁によって、特定の地域で産出した商品へ表示する「地理的表示」に登録された。また、2013年と14年には高品質商品のトップ10に入り、2015年にはゴールドブランド賞も受賞した。

そして2016年には、ベトナム食品科学技術連合が、タインハーのライチを「信頼できる安全な食品ブランド」に認証。同年、トゥイラム村にある古代のライチの木は、ベトナムで最も古いライチの木として認められた。

国内市場だけでなく、タインハーのライチは海外でもプレゼンスを高めており、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スウェーデン、タイ、UAEと米国に輸出されてきた。