ベトナム最大のコーヒー産地の一つ、中部高原地方のザライ省で、コーヒーの木の若返りをはかるため、新しい苗木が農家に無償提供されている。

写真=苗木の植え替えが進むザライ省のコーヒー農場

ザライ省農業・農村開発局によると、同省のコーヒーの栽培面積は約9万4000㌶に上る。しかし、木の老化が進んで生産性が低くなっており、うち約1万4000㌶は、2020年までの植え替えが必要な状況となっている。

同省では2015~2017年にかけて、6000㌶のコーヒーの木の植え替えが行われた。今年はすでに、目標の2300㌶の9割近い2000㌶の植え替えが終わった。

イアダン村ヅプロン地区のグエン・チ・チュイ・ランさんは「20年前に植えた木のかわりに新しい苗木をもらった」と話す。同局ヅプロン地区支部のグエン・バン・ギャップ支部長は「地区では今年中に400㌶分の植え替えを終える予定だったが、すでに目標を達成し、481㌶分の登録が済んでいる」と話す。

省の植え替え計画のもと、数社の企業ではコーヒーの有機栽培も進められている。同省に本社を置くビン・ヘップ社は、4000人の従業員を抱え、イア・グライ地区の5000㌶で栽培している。

省内では今年、8500㌶の植え替えが行われるという。また、この3年間で、同局は、1800人の少数民族を含む4500人に栽培技術を提供した。一方、農家が見学できるコーヒー栽培モデル農場も14カ所設けており、今後は18のコーヒー農場と、15のコーヒー果樹園を設置する。

植え替えと並行して、同省では、農家の収入安定などのため、ドリアンやアボカドなどの間作用の作物作りも奨励している。間作作物は、コーヒーの木に日蔭を作り、地面からの水の蒸発を防ぐため、コーヒーの成長にもメリットがあるという。

同局マンヤン地区支部のファム・ゴック・コ・支部長は「間作作物は、コーヒーの相場が下落したとき、農家の収入の助けとなる」と話している。