ビンリエウ(クアンニン)のコムロンバインチュン

ビンリエウ(クアンニン省)を訪れる機会があれば、コムロンバインチュンを食べるのを忘れないでほしい。ビンリエウのコムロンバインチュンは柔らかく、香りも良い、あまり脂っこくなく、家族や友達へのお土産としても喜ばれる。バインチュンは小さいが、幸運や幸福を願う思いが詰まっている。

写真㊤=コムロンバインチュン、柔らかく、良い香り、あまり脂っこくはない

地元の人によると、コムロンバインチュンと呼ばれる由来になったのはコムロンという葉を使っていること、バインチュンの内側が紫色という特徴があるからだという。コムロンは薬草の一種で、バインチュンや角煮、煮魚を作るときに使われる。

バインチュンを作るためには、材料選びから食材の調達、葉でバインチュンを包む作業、バインチュンを茹でる作業、さらにバインチュンを美味しく保ち酸っぱくならないようにするための保管など、多くの調理が求められる。バインチュンの主な材料はもち米、豚肉、コムロンの葉、塩だ。

もち米は粒が大きくて丸く、同じ大きさで香りの良い新米を使う。もち米を水に浸してといだ後、塩と混ぜて乾かす。米が水を吸って大きくなってしまうとバインチュンが早く酸っぱくなってしまうため、注意が必要だ。

豚肉はバインチュンが濃い味になる秘訣。コムロンの葉は甘くさわやかで、健康増進作用があり、火にかけると濃い赤色になるという特徴がある。葉はきれいに洗い、細かく刻んだ後、豚肉、塩、コショウと混ぜ合わせる。香り付けるを加える家もある。

バインチュンは青々として大きく、大きさも等しくて破れていないゾンの葉で包む。ゾンの葉はきれいに洗い、四角に切った後、水に浸す。バインチュンを包むには紐が必要だが、紐は竹から作られる。

材料が全て揃ったら、いよいよバインチュンを包む作業。丸く美しく包むためには手先の器用さも必要だ。包み方は、きつ過ぎても、緩すぎてもいけない。バインチュンの形が崩れることがあるからだ。包み終えると冷水に2、3時間浸す。

その後、バインチュンを茹でる。茹でる時は、鍋の水が鍋の1/3以下にならないように常に注意が必要だ。バンチュンは10~12時間も茹で、茹で終わると冷たい水できれいに洗い、乾かす。

完成したコムロンバインチュンは、豚肉の濃い味、コムロンの葉のさわやかさ、もち米とゾンの葉の香りが調和している。切ると、真ん中の紫色がなんとも鮮やかだ。