クアンニン省の交通インフラ大きく発展 世界遺産ハロン湾観光の飛躍に期待

ベトナム北部のクアンニン省で、交通インフラの整備が急速に進んでいる。9月に中央直轄市で、ベトナム北部最大の港湾都市ハイフォン市とハロン湾をつなぐ高速道路が完成したほか、今月にはバンドン国際空港が開港=写真㊤。人の往来が増え、観光業を中心とする同省の産業の発展が期待される。

ハイフォンと、ユネスコの世界自然遺産に登録されたハロン湾までの高速道路が完成したことで、これまで内陸を迂回する必要があった両市間だが道路が25キロメートルに短縮されて、首都ハノイからハロン湾までの所要時間も1時間半になった。

また、バンドン国際空港が2018年12月末に運用開始される予定で、ハロン湾観光がさらに発展する機会となりそうだ。バンドン国際空港は、9路線が就航し、毎日7000人の利用が見込まれる。同空港は2020年までに、年間利用者数を250万人、貨物取扱量を1万トンまで増やす計画だ。さらに、2030年までに年間500万人の利用達成を目指す。

このほか、同省の重要な交通道路となるハロン市からバンドン地区までの高速道路や、大型客船が停泊できるホンガイ国際旅客船ターミナルも、近く運用が始まる予定だ。

ハロン湾と各地を結ぶ陸海空の交通手段の発展によって、観光業だけにとどまらず、さまざまな地域経済の発展にもつながると、大きく期待がふくらむ。グエン・ゴック・ティン文化・スポーツ・観光相は、「政府はハロン湾の開発に500億ドンを投資したが、その経済効果は1兆1000億ドンにもなると期待される」と述べた。

例えば、観光市場とともに発展しているのが不動産業だ。リゾート投資家などが急速に増えて、ベトナム不動産仲介協会によると、2018年の第3四半期の不動産取引は件数も金額も大きく伸び、ハロン市とモンカイ市を中心に、約1000件もの物件が市場に出回ったという。また、ハロン湾周辺の土地価格自体も約5%値上がりしている。

これは、交通インフラ整備のおかげであると同時に、ハロン湾が他の観光市と比較して、季節的な変動がなく、一年じゅう楽しめる観光コンテンツを備えていることも理由として挙げられる。一帯ではサングループやビングループといったベトナムの一流の投資家が、リゾートやホテルなどを設置し、アミューズメントパークなどの開設に尽力。一年を通してハロン湾の魅力と価値を高めていることが、観光客を引き付ける相乗効果となっているようだ。