クアンニン省ホアンボー県の岩山 「インスタ映えの地」

チョン岩山はクアンニン省ホアンボー県バンカー村にあり、「インスタ映えの地」として知られてきた。岩が積み重なった場所は特に人気を集めている。

写真㊤=クアンニン省バンカー村にあるチョン岩山

海抜400m、独特の美しさを持つチョン岩山の頂上は、高い場所やスリルが好きな人ばかりではなく「美しい写真を撮りたい」と思う人にとっても理想的な場所だ。山頂からはホアンボー県の滝も近く、一緒に観光することもできる。

チョン岩山には岩が幾重にも重なっている場所や切り立った岩肌があり、登山をする人の「勇気」が試される。(※落下の危険性がある場所もあり、危険な個所では『絶対に岩をよじ登らないこと』が必要)。岩山の頂上からは、たくさんの森に囲まれ、小さな島が浮かぶイェンラップ湖を眺めることができる。頂上から眺める景色は大変美しい。

少数民族ザオタインイー族で、バンカー村の長老たちはチョン山にまつわる伝説を語り継いできた。

昔々、神の将軍が軍を率いてこの地にやってきた。彼らは長い道のりを経て、飲み水も見つからず焦躁しきっていたが、澄んだ湧き水の出る泉を見つけた。将軍は喜び軍を止めたが、全員が水を飲むには泉は小さすぎた。

全員が水を飲めるように将軍は手で広げて、泉を大きくした。泉を広げる時に服が濡れてしまったため、将軍は鎧を脱ぎ、ザイ山とチョン山の頂上の間に木を“渡し”濡れた服や鎧を干そうとした。しかし、チョン山の頂上がザイ山の頂上より低かったため、将軍は岩を重ねて両山の頂上が同じ高さになるようにした。地元の人は山の裾野に将軍を祀る廟を建てた。将軍が木をひっかけるため岩を重ねた山が、現在の「チョン岩山」だ。


岩山の頂上からは、たくさんの森に囲まれたイェンラップ湖の美しい光景を眺めることができる。

山の全貌を美しい角度から見たい、という観光客は、バンカー村から船で湖を渡り、付近を観光した後でチョン岩山に登るのが良い。雨が降る日や暑い時期には、山の中に雲が見られることがある。雲に抱かれた山はとても幻想的だ。

チョン岩山の頂上を観光するには、ホアンボー県の中心地から国道279号線を約19km進み、バンカー村のケーリエウという所で船に乗る。45分程度進んで付近の泉など観光し、1時間半くらいでチョン山に到着する―というコースがお薦めだ。ホアンボー県から国道を進んでいる時に、サトウキビ畑を眺めたり、クアンラーのお花畑やバンカー村の文化保存地区を観光することもできる。

チョン岩山に登る時には、次のようなことに気をつける必要がある

移動方法の選択=乗船する船に、湖を航行する許可が与えられていることを確認する必要がある。浮き輪やライフジャケットの装備を確認することも重要。
道中に店がないことから食料や飲料水の確保が必要
森は燃えやすいため火事への注意、さらに周囲の環境への配慮が必要
地元自治体が「危険注意」の標識を立てるなどして、注意を呼びかけている。地元の人による道案内を受けることが望ましい。さらに、落下の危険性があるなど危険な個所では『絶対に岩をよじ登らないこと』が重要。