ギソン経済区10倍に拡大へ 2035年までに実現

ベトナム中部タインホア省の建設局はこのほど、ギソン経済区の総面積を2035年までに現在の約10倍に拡大することなどを盛り込んだ「2035年に向けたギソン経済区開発計画・2050年ビジョン」を発表した。沿岸部の埋め立てなどで、同経済区を約10万6000ヘクタールにまで拡大する方針だという。

計画では、既存の経済区周辺の6万6500ヘクタールを新たに開拓するのに加え、沿岸部分3万9500ヘクタールを埋め立てるという。ギソン経済区は、ティンザー地区全域と、コンビン村、コンチン村を含めたノンコン地区全域、タインタン村、タインキー村、イエンラク村を含めたヌータイン地区全体にまで広がることになる。

拡大は、ギソン経済区を、海洋に基盤を置いた、重工業や基幹産業などを主とした多目的経済区にしていくというのがねらい。近代的な工業エリアにすると同時に、サービス業、観光なども集約した複合的な“ギソン工業都市”として発展させる。地区一帯はさまざまな特別措置のもとで運営され、タインホアと中北部の経済発展の原動力になると期待される。

首都ハノイの南約200キロメートルに位置する同経済区は、2006年に開設された。ギソン港やギソン製油精製所のほか、東南アジアでは最大級の石油化学製品製造の複合施設も抱える。地理的な条件から、ラオス、タイ北東部などとベトナムをつなぐ重要な場所でもあり、東シナ海に向けた国際航路の出発点ともなっている。

拡大計画の発表会見では、タインホア省人民委員会のグエン・ディン・ズン委員長が、「新たに改良された経済区の計画案は、わが省にとっても、ギソン経済区の運営発展にとっても必要不可欠だ」とあいさつ。今後、同省が、地域一帯のビジネス環境を整えることに尽力し、ギソン経済区や周辺の工業団地への投資を促進していくことなどと語った。また、経済区内に必要なインフラを整備していくための資金を獲得するために活動することも約束した。