メコンデルタに南国フルーツの収穫期到来、天候に恵まれ豊作

メコンデルタ地方の農家では、果物の収穫期のピークを迎えた。今年は豊作で、販売価格は昨年よりも高いという。

写真㊤=ティエンザン省カイライ市でドリアンを収穫する農家(写真:VNA)

チャーヴィン省では5月初めに、マンゴスチンやドリアン、ランブータン、リュウガンといった南国特有のフルーツの収穫期を迎えた。

同省カウケー県に、2,000平方メートルのランブータン果樹園を持つカー・ヴァン・ホンさんは、「今年は天候に恵まれ、収穫量は例年より10%以上も多かった」と顔をほころばせる。農家によると、先週、省内の果樹園で販売された果物の価格は、昨年同時期に比べて、1キロ当たり4,000~5,000ドン(約18~23円)高かったという。

また、ホーチミンのある販売業者が5月初め、カウケー県のマンゴスチンを、1キロ当たり40,000~45,000ドン(約186~209円)で事前に購入すると申し出たが、この地域のマンゴスチンは需要が高いため、ほとんどの農家は申し出を受けなかった。同県の果樹園で、先週販売されたマンゴスチンは、1キロ当たり80,000ドン(約373円)にまで達した。

カウケー県のマンゴスチン農家であるド・ヴァン・タイさんは、「マンゴスチンが、こんなに高値で売れたのは初めてだ」と驚く。

同じくメコンデルタ地方のカントー市では先週、販売業者が、マンゴーの一種であるチューマンゴーやホアロックマンゴーを1キロ当たり20,000ドン(約93円)で、ドリアンを40,000~45,000ドン(約186~209円)で購入した。価格は収穫初期に比べれば、5,000~15,000ドン(約23~69円)ほど下がったが、昨年同期よりは高かった。

カントー市やメコンデルタの12の省のほとんどの農家は、近年、収穫量が多く、市場ニーズの高い高品質なフルーツを栽培。農家によると、果物栽培の利益は、米の3倍から4倍も高いという。

また、これらの地域では、国内市場や輸出用に向けて、一定の高い品質を保った果物を、集中栽培する地域を設定している。中でもティエンザン省は、国内最大の果物生産省であり、同省農業・地方開発局によると、ドリアンを集中栽培する地域は9,200ヘクタール、ドラゴンフルーツは7,000ヘクタール、マンゴーの場合は4,000ヘクタール以上もある。

メコンデルタ全体でみれば、約307,000ヘクタールの果樹園があり、年間約400万トンのフルーツを生産。国の総栽培面積の約4割を占めている。地域のドリアン、ドラゴンフルーツ、スターアップル、ピンクグレープフルーツなどは、多くの海外市場にも輸出されている。また、こうした果物栽培に加えて、カントー市などの農家は、果樹園を観光にも役立てている。